9. 冬の祭典ホワイトクリスマス賞(サラブレッドとばん馬たち)
ホワイトクリスマス賞。
この時期の名物レースなのですが、ざっくりと競走馬(サラブレッド)とばんえい競馬(ばん馬)のレースがあります。
どちらも地方競馬の枠組みになるのですが、サラブレッドの方は毎年、南関東四大競馬場(通称、南関競馬)の一角、川崎競馬場の競馬納めの日の最終レースに開催される白毛・芦毛オンリーの白い祭典です。
賞金が出る、ちゃんとしたレースなんですが、一方でお祭り感があるので見ていて楽しいレースです。
誘導馬ももちろん白(白毛 or 芦毛)い上、人馬ともにサンタ&トナカイコスプレをしていて見た目も華やかで可愛いし、出走馬も銘々トナカイの角をつけたり、耳カバーにサンタ帽被ってたり、クリスマス柄のお手製メンコを装着していたり、
出走条件は前述のとおり、白毛あるいは芦毛であること。
そして、C1及びC2クラスの馬であることという括りになっていますが、運営の方も年度末感謝祭といった空気感です。
(補足しておくと、馬の年齢とその時点までの獲得賞金額によって格付けが決まります。ざっくりとした認識だとランク中〜下クラスの3歳以上の馬が集まってる感じです)
それはさておき、さる12月13日、第46回目となる(昭和54年から続いてるの凄いですよね)今年は、14頭でのレースとなりました。
お祭りムードも若干漂う中、黒っぽく見える濃紺メンコを付けた細面長に、どことなく既視感を覚える白いのがいますね——と思って見てみたら、コスモギンガちゃんではありませんか。
7歳現役(父ゴールドシップ、母セカンドホシノ、母父シンボリルドルフ)で頑張る牝馬ちゃんです。
お手製横断幕の応援もあって、地方競馬と言えども、ちゃんとファンが付いてる様子が微笑ましいです。
騎手を乗せた時の歩様が、遠目に見るほど親父に似てるの、やっぱり親子なんですねえ。
とはいえ、親父よりもずっと落ち着いて大人しい雰囲気を醸し出しているのは、偉大な皇帝ルドルフの血のおかげでしょうか(?)
結果は、最後の直線で外からするーっと伸びてきて5着掲示板入り、しっかり賞金を咥えて持って帰りました。えらい。
もう一方、ばんえい競馬の方も先日、12月23日に帯広でホワイトクリスマス賞A1レースがありました。
こちらは9頭でのレースで、騎手と荷物をソリに乗せて
坂障害の前に一旦止まって息を整えるレース展開も、サラブレッドの競馬とはまた違った駆け引きの趣きがあり、大迫力で興味深いです。
かつては道内に複数箇所のばんえい競馬場があったそうですが、現在、唯一の開催地となっているのが帯広なんですね。
元々、農耕用として重種馬と呼ばれる外国の大型馬(主にフランス原産のペルシュロン種、ブルトン種、ベルギー原産のベルジアン種)を掛け合わせて品種改良を重ねたのが、気性の穏やかなばん馬です。
重い荷物も曳けるガッチリとした胴回りと太く大きな足腰、首周りのどっしりとした逞しさは圧巻です。
体高はサラブレッドよりも大きく180cm以上、体重は800kg〜1200kgほどと、とにかくデカい。
現在は農耕用に馬を使うこと自体がなくなり、ばん馬たちの種の保存が難しい状況となってから、なんとか北海道の馬産と伝統文化として残すべく始まったのがばんえい競馬というわけです。
農林水産省の統計によると、令和5年時点のばん馬たちの産駒は900頭程度であり、それほど多くありません。むしろ、生産牧場が年々減っているのが現状です。
(ちなみに、比較対象としてサラブレッドの生産頭数は、年間およそ7千頭を超えると言われています)
現代でもこうして種が存続しているのは、ひとえに馬産関係者の皆さんの努力の賜物と言って差し支えないと思います。
これから年が明けて1月に入ると、冬場の恒例ばん馬の馬追い運動(若駒の体力作りと妊娠馬の難産防止。※妊娠馬は出産シーズンを迎えるにあたり、運動をしないと逆仔や死産のリスクが高まるので、その防止です)も始まるので、そちらも楽しみです。
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