第6話
6時間目の終わりのチャイムが鳴る。
「はぁ〜。」
無意識にため息をついてしまう。
『やっと終わった。』
すぐに藍達がやってくる。
部活のラケットケースを持っているから今から部活なのだろう。
「じゃあ藍達は部活に行くねー。」
「それじゃあまた明日,蓮くん。」
「んー。」
素っ気ないかと思うが,基本的に俺たちはいつもこんな感じだ。
っと危ない。
国語の課題を提出しないといけないんだった。
俺はすぐに先生に課題を提出して学校から家に向けて早歩きで帰る。
今日は別に何かあるわけでもないが,早く帰って早く寝て,早く深夜を迎えたい。
いつの間にか俺の中でアビスが小さくない存在になっていることには何も違和感を感じなかった。
『いつか藍達にも話すか…。』
別にあいつらなら話しても大丈夫だろう。
俺の知らないところで起きていることについては知らないままそう思うのだった。
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