第二話

今日は、両親の仕事を手伝う日だ。

ソラの両親は、畑で様々な野菜を作って売っている。

この村は土壌に養分が多いのか、野菜がおいしくできるので商人や

ほかにも夜に箱を取り出して何かを作っているようだが、ソラには教えてくれなかった。

「ソラ、おおきくなったら必ずわかるんだから、今は早く寝なさい?」

いつもは優しい両親の目が、少し、ほんの少しだけ蔑むような目線を向けてきたような気がした。


大人なんてそんなもんだと割り切っていたソラだが、この時だけは何か得体のしれない恐ろしさを感じたのである。


一概に畑で野菜を育てるといっても、やることは多い。

まず何をどこに植えるか決め、土を作り、植える。間引き、とにかく多い。

子供たちの仕事は、とにかく雑草を抜くことである。

肥沃な土地なだけあって、実にたくさんの植物がそこかしこに生えている。

しかし、自分たちの成果を競い合うことも子供達には時々仕事を遊びのように思わせてくれるのである。


しかし、その子供たちに交じらず、一人なかなか顔を見せない少女がいた。

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瞬きの赤 夏桜 @Natuo_

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