主人公ではなく“ペットの蛇”が異世界へ!?
- ★★★ Excellent!!!
主人公が異世界に行く話はたくさんありますが、今作で異世界に行くのは“ペットの蛇(コーンスネーク)”!
主人公自身は異世界に行くことなく、ペットの蛇からの報告や感想を通じて、異世界を想像することとなります。
しかしその異世界──実は………
同じ爬虫類飼いとして、主人公に共感しました。
いわゆる、世の多くの爬虫類の描写って正しくないものが多いです。
でもこの方の蛇やケージの中の描写に違和感はありませんでした。本当に蛇を飼育されているか、もしくはきちんとお調べになられているのが伝わってきます。それだけでとても嬉しいです。
あと個人的にこの作品の評価がグッと上がったのは獣医の対応でした。異世界で怪我して帰ってきた蛇を病院へ連れて行く展開があるのですが、その際主人公は「ケージから脱走してこうなっていた」と説明するしかなく、それに対して獣医はやや強めの苦言を呈します。通常ペットの怪我は飼い主の責任ですが、今回に限ってはほぼペット自身の過失です。それを知ってる読者からすると、少し腑に落ちないかもしれませんが、敢えてこのような対応で描かれているところにリアリティを感じました。多分この獣医は素敵な方なんだろうと伝わります。
コンスネがまさかあんな姿になるなんて。コンスネってチョイスがまたいいです。