第45話
ジェニーは最近お父さんが作ってくれた90度滑り台にどハマりしていた。
あの、一瞬フワってなる所が凄く新感覚で良いと思う。
最初あれを滑る…と言うか落ちるんじゃ無いかって言う傾斜角度具合にはちょっとビビってしまったけど、お父さんがそんな危険なもの作る訳無いもんね。
一歩踏み出すのは結構勇気がいったけど、頑張った甲斐あって今では躊躇いなく滑れるようになったよ。
……滑り口の淵までは行けるんだけど、さあ滑るぞって段階で怖気づいて滑れない事、実は1ヶ月かかっちゃった。
滑ってみたら意外と爽快で、超たのしぃー!ってなったけどさぁ。
滑り台に到達するまでのアミを登ったり、渡ったりも楽しいけど、アレはちょっと感覚違ったね。
1回滑れてからは、もう何回でもピュンピュンいけちゃう位にどハマりしちゃったよ〜。
後これ、子供達の度胸試しにも使われてたから皆に一目置いて貰えたのも快・感っ!だったよね。でへへ。
…そう得意げにふんぞり返っていたジェニーだったが、後日愛娘がどハマりしている情報をキャッチしたアレンが、あくまでも善意で120度滑り台を作り出し、愛娘を絶望の淵に立たせる事になることを今は誰も知らないでいた。
…さらに巨大化、高くなった滑り台を前に最初ジェニーは特に何にも思っていなかった。
しかし、いざ上に上がると全然別物で駄目だったのにはびっくりする事になる。
下から見る分には大した事無いな、と鼻息ふんふんで余裕をかましていたのに、いざ上から見てみると下から見るのとは全然違う景色に恐怖して、結局滑り降りる勇気を持てたのは、それが出来てから3ヶ月も過ぎてからの事になったと言う……。
アレンは陰で、“鬼畜さん”と呼ばれている事を知らない。(一時期はジェニーも心の中で呼んでいたりする)
♦︎♢♦︎♢
「お母さん達、どこへ行くの?」
家に引き篭もりがちの母親が父親と一緒とは言え外に出ている姿にジェニーは目を丸くしながら駆け寄った。
「お父さんは今からお母さんと森デート」
「ぺぺちゃんやペロちゃん達に会いに行くのよ」
相変わらずお母さんを何処ぞのお姫様扱いの如く大切にエスコートキメるお父さんのデート発言は無視した。
こういう時は、お母さんの言葉だけ拾うのが吉である。
「えー、良いなぁ〜〜!ジェニーも行くぅっ!!」
「……デート…」
「お父さん、肩車して!!」
しょんもりお父さんに跨って、さあ、出発よ!!
クスクス優しく笑うお母さんの顔を見て、しょうがないなぁ…と苦笑いのお父さんに鼻息ふんっ、な私とで森のお散歩開始なのよ。
森をサクサク進んでいくと、
「あ、ペロちゃん発見!」
白狼っていう真っ白な狼さんなペロちゃんが森の入り口でお出迎えしてくれてたから、きゃっきゃと笑って足をバタバタさせる。
ペロちゃんはモッフモフでつぶらな瞳の可愛い狼さん。
近づくとお腹を出して待っててくれるから、そこにダイブするのが私は大好きなんだぁ。
お父さんから降りて、ペロちゃんにダイブ。
お母さんもニコニコでもふもふを堪能しているよ。
お父さんが何処からか生肉をぱっと出して、ペロちゃんに与えている。
…お父さんは魔物の言葉がわかるらしいんだけど、何を今話してるのかは全然さっぱりわからないのよね。
ムゥ〜〜…私もペロちゃん達とおしゃべりしてみたいのになぁ〜。
ペロちゃんと合流して、森の散歩の続きへGO!
私はそのままペロちゃんに跨って、出発。
お母さんの腕の中にはいつの間にか、もちもち感触が面白いスライムのプーが居て、いつもの如くもちもちされていた。
いつの間に?
もふもふも良いけど、もちもちも良き。
…後で触らせてもーらおっと。
お父さんと話せる魔物さんはこの近辺には結構居て、皆仲良くしてくれるんだよ。
お散歩の日はまばらだから、毎回皆に会える訳じゃないけど、定期的にこんにちわーして、お父さんがお肉あげたり、逆に何か美味しいものとか珍しいものとかを貰ったりするんだよ。可愛い子達だよねぇ。
…私も喋ってみたいから、お父さんが喋っているのをじっくり見たりしてるんだけど…覚えられる気がしないのがね、残念。
今日はウサギのぺぺちゃんと、クマのパンちゃんにも会えて、それぞれから見た事無い木の実を貰ってたよ。お父さんが。
私は、ぺぺちゃんをぎゅっと後ろから抱っこして、パンちゃんのクマの手をグニグニさせて貰っちゃった!
「今日のお肉はな〜〜に〜〜?」
肉を貰う子達の様子がいつもより嬉しそうだったからお父さんにそう聞いたら、
いつぞやの龍のお肉だったみたい。
そりゃあ、大喜びだよね皆。
…今回居なかった子達が拗ねるんじゃないのか、これ。
と思ったけど、お父さんは別に拗ねられた所で特に気にしそうもないなぁ…。
それで、皆がお母さんに救いを求めてお母さんのお願いのもと、お父さんがまた尻尾狩りに出かける未来図まで見えた気がしたジェニーは、しかし自分もご相伴に預かりたいから黙っている事にしたのだった。
…次は何色の龍のしっぽが食べられるかなぁーと思うとちょっと涎が垂れちゃって、下に居たペロちゃんに怒られちゃったのは、うん本当ごめんね、と慌てて謝ったのだった。
…嫌われて、もう乗せるのヤダとか思われたら泣いちゃうもん。
ちゃんと謝って、許して貰ったよ。
あ、お父さん、ペロちゃんには肉多めでお願いっ!
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