第38話 ジェニーの大冒険⑨
ミルクにー、卵。
これは村では滅多に手に入らない代物っ!
…卵は偶にお父さんが取ってくるけど、大量に発見は出来ないから貴重品なのよ。
1回一度に3つ程取れたよって時に、“蜂蜜卵プリン”って言うお菓子を3つお父さんが作ってくれた事があった。
それを食べた時の衝撃ったら無かったのよ!!
ちゃんと事前にこれだけしか作れなかったって聞いていたから、1人1つをしっかり味わって食べた……お婆ちゃんたちにもしー!なシークレットなスペシャル甘味だった凄いお菓子さんだったの。へへっ。
3つだと数が合わないって?
お父さんはほら。
お母さんを始終うっとりニコニコ見ていて、お母さんが口元にどーぞーしてたけど、お母さんの口の端っこについたカスをペロリして
「ご馳走様」
って楽しそうにしてたから、それで良いんじゃ無いかな?って思った。
幸せそうだったし。
私とレオ兄にはいつもの事だったんで、特に気にせずハグハグして無事完食しましたよ。
美味っ!!て一時恍惚としてたけど、これで終わりかーってしょんぼりもした。
味も、喉越しも。見た目のプルンっな揺れ具合にも惚れ惚れしちゃったけど、材料無いなら仕方ないからね。
…でもでもーーっ?
ここってば、食材だけは何でも揃う街じゃ無いですかー。
当然、リクエストしました(内緒なんで、こっそりと!)
お父さんも快くおっけいしてくれたし、宿の人たちもノリノリイエァー!!
で、大量の魅惑プリンが製造された!
やったぁっ!!
皆で美味しいねぇーってしたし、各自のマジックバッグに大量詰めもした!
あとあと、村では作れなかったらしい“バタークッキー”なるお菓子も美味しかったの!!
サクサク食感で、バターって言うのが濃厚でお口が幸せ〜〜ってなった。
でもこれって、この街でしか食べられないって事に絶望してたら(ストックは持ち帰るけど)
「アズマさんと1兄に頼めば行商で持って来てくれると思うよ」
ってお父さんから言われて思わずその場でらんららんっ!ってスキップしちゃった。
「あの2人も独自にバッグとスキルで持ってたと思うし」
「やったーーーーっ!!!」
村に帰ったら、内職頑張るっ!
調味料の選定に、お父さんが作ってる基礎薬の詰め替え作業とかとかね。
専用のボトルに入れるのが数が多くてちょっと疲れるんだけど、このお菓子達の為なら何のその!で頑張れるよっ。
お婆ちゃんも、お母さんも張り切って手伝ってくれそうな雰囲気だし、何ならお婆ちゃんはお爺ちゃんも駆り出してくれそうで頼もしい限り!
ふっふっふ、総戦力だぁーーーっ!
甘いもの好きなポポちゃん達もきっと協力してくれる筈だよ。
って言うか、是非ぽぽちゃんズの蜂蜜で作って欲しい!
皆のほっぺがとろけるんじゃ無いかな?
…ここで使わなかったのは、そんなに量が無いからだと思う。
後、有象無象が多いからかな?
ポポちゃん印の蜂蜜と、街蜂蜜は全然濃厚さや旨味が違ったからね。
(↑お父さん以外は全員ペロリ済み)
色々な食材をゲットしたし、材料確保の目処が立ったから、後はゆっくり村でもぐもぐするのだ。
そんなこんなしてたら、やっと帰れる日(清掃日)になった。
宿の人達には凄い惜しまれながらの出発になったけど、お父さんは始終スルーしてたよ…周りを気にし無さ過ぎじゃない?
…いざ、離れるってなったら何かちょっと寂しい気持ちになったけど、臭いの結界から出たらさぁ……掃除してあるって言ってもゼロになった訳でも無さそうだし、相変わらずの臭さでしょ?
すぐにそんなセンチな気持ちはぶっ飛んじゃったね!
一刻も早くこの臭さからオサラバしたくて、馬車内に引きこもり。
お別れは窓からで十分だと思うよ、うん。
行きは混んでたけど、出るのはすんなり出れたよね。
門から外に出れた時は、ちょっとホッとしちゃったもん。
後方に街を捉えつつ、
「さようなら、絶望の臭い街……」
って呟いたら、何故か皆のツボに入っちゃったみたいで、馬車の中で皆がゲラゲラとお腹を抱えて大笑い。
…珍しくお母さんも床に伏せてプルプルしてたし。
そんなに面白い事言ったかなぁ…?
皆曰く、しみじみ呟いた様がシュールで面白かったんだって。はて。
休憩所でその話を聞いたお父さんだけが、相当悔しがってた。
そんな貴重なお母さんが見れなかった事に対する大後悔に絶望していたらしい。
「見た目を気にせず、馬も魔道具化していたら……」
って何かぶつぶつ呟いていたけれど、お母さんの膝枕で何とか復活してくれたよ。
お父さんしか、御者やれないからねぇ…。
何でお父さんはすんなり出来たのかは、もう考えない事にした。
考えた所でどうせ、わかんないしぃ。
やっぱりうちの村が最高だったよ、うん。
それがちゃんと知れて良かったと思う。
皆の街への謎の幻想は大いに打ち砕かれちゃったけどね。
私?
当然、村一択だよ。
アストラ村、世界一ぃっ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます