第27話 ジェニーの大冒険①
毎日しつこい位レー兄にアタックしてたのに、あっさりと村を捨てて出て行ってしまったアンナ姉ちゃんを見て、ジェニーは街ってそんなに魅力的なのかな?と思った。
それまでは、村を出て行くとかって話は耳に入って来てはいたけれど…特に興味も湧かなくてスルーしてたのに。
…だからと言って将来村を出て行こうとまでは思わなかったけれど、気にはなったので外から来たって言う2人の内の、父さんがボスって呼んでた綺麗な女の人に話を聞きに行ってみた。
…男の人の方は、何だか怖くて話しかけ難いんだよねぇ…アンナ姉ちゃんは、良くあの人に声掛けらるなぁーと思って見てたよ。
「街ぃ?…あんたの家の方が、ハイテクだよ」
「はいてく…」
って、何だろう?
「あー…凄いよって事さ。街へ出ても、がっかりするだけだと思うけどねぇ」
と言われて、何故か俄然興味が湧いた!
「えー…何でそうなるんだい?…やっぱり若い子とは話が合わないかも…」
「ゼロの子だから、変わってるんじゃないか?」
怖い人と何かボショボショ囁きあってたけど、私あれ知ってる!
夫婦のイチャイチャだよねっ!!
父さんも母さんにあれやってて、母さんが真っ赤になってるの良く見るもん。
私は空気を読んで、そそくさとその場を去ったけど…。
「…何か、凄い、天然の気配を感じた…」
「盛大な勘違いだが…望まれれば俺もやぶさかでは無いがな」
「え……いや、ちょっと…まっ……」
その後本当にイチャイチャし出したなんてそんな事、見てないから知らないよー。
……その話を何処かから聞いたのか、お父さんが
「じゃあ、家族皆で1回見に行って見るかー」
だって!!
「本当っ!!?」
ちょっとは気になってたけど、1人で街へ行く勇気なんか当然無かった私は大喜び!
普段はぼんやり気味なお父さんだけど、こう言う時ってすっごく頼りになるんだよねぇ…不思議と。
お母さんとおばあちゃんとおじいちゃんは、とっても嬉しそう。
勿論、私もその場でぴょんぴょん飛び跳ねちゃう位には嬉しいよ!
でもこの前までその街へ行ってたお兄ちゃん達は、とっても複雑そう。
…そうだよね、お兄ちゃん達も出来る事なら家族でいきたかったよね。と一人で分かったつもりで頷く。
だってお父さんが一緒ってだけで、安心感が段違いなんだもん!
そりゃあ、未だに出て行く人達に声掛けられるわぁ〜、と納得ぅー。
(↑子供は良く見ている物なのです。むふんっ。)
お母さんも
「アレンと一緒なら、心強いわね」
って!一緒に顔を見合わせてニコニコしちゃったよ。
それに、お父さんは私達のために色々作ってくれたんだ!
お父さんが作ってたお酒とか、お化粧品?とかで稼いだお金で、幌馬車って言う屋根つき馬車を商人さんから買い取ってくれたんだけど。
街に行くのには何日も掛かるからって、馬車の乗り心地とか、中の空間を魔道具で広げてみたりとか、中の温度を一定にして皆が快適に過ごせる様にとか!いつもの様に、色々改造してくれたんだよ。
幌馬車って、前方から中が見えるようになってたから、カモフラージュ?とか言って、中に仕切りを置いてくれたんだけど…外から見たら、改造前の質素な床だけ風景になっててビックリ!慌てて中に入ったら、改造した豪華部屋のままだったのよ。
「あははっ!凄い、凄いっ!!」
思わず、出たり入ったりとぐるぐるはしゃぎ回っちゃった!
だって、とっても不思議で楽しかったんだもの!!
後、街に入る用にって、皆に腕輪が配られたんだけど。
「私、これ知ってるぅー!」
またもや、大興奮!
だってこれ、アレでしょ!!
お父さんがこっそり部屋に隠し持っている、変わった絵の本に書いてあった魔道具そっくりだもんっ!
「へんっしんっっ!!」
ちゃっかり決めポーズまで決めてドヤっ!
…残念ながら、光ったり、音楽が流れたり、フリフリの服装にはならなかったけれど(何故かお父さんが真っ赤な顔で頭抱えてたな?)、ちゃんと私が私じゃ無い感じにはなってた!
お兄ちゃん達が、お父さんの魔道具で有名人になっちゃったから、それを誤魔化すための魔道具なんだって。
…何か、ちょっとボヤってしてて見えづらくなってたよ。
後、皆が地味顔になっちゃったから、何か楽しくなっちゃって、皆でお互いの顔を見合わせて大笑いしたー。
特にお父さんの顔が一番わからなくなってた!
わからなくしたのはお父さんなのに、ちょっとショック受けてたのは何でなんだろうね、あはははは。
(↑前前世の顔だったからである)
あの本みたいに特殊な演出は無かったけど、腕輪にはちゃんと特別な効果は付いてたよ!
「バリアー」って言うと私の周りに白い障壁が現れて、私を守ってくれるんだって!
それにそれにっ!「収納」って言えば、荷物が腕輪に吸い込まれるんだよ、凄くないっ!?
私は早速、お気に入りのお人形さんを腕輪に入れたわ!これが無いと、夜眠れないのよね。
これにも、ニンシキソガイ?って言うのが掛かっているから、周りの人にはバレないんだって。えへへ、使い放題だ!!
何か、商人のお兄さんとお姉さんには
「頭が痛い…」
「まあ備えがあって良いんじゃないか?」
と呆れられてたけど、まあこれなら旅も快適に行けるんじゃないか?ってうんうんされてた…お許しが出たっぽい?
その2人は、この村に残るんだって。
あれ、勝手に一緒に行くのかと思ってたわ…と思ったのはどうやら私だけじゃ無かったみたいだけど。
「家族旅行だぞ?」
ってお父さんに言われてみれば、それもそうかって気もした。
2人は、幌馬車用の馬を貸しに来てくれただけみたい。
「じゃあまあ、村は任せとけ」
「うん。ちょっと朝と夜に外に殺気をばら撒いてくれれば良いから」
父さんは、あのちょっと怖いお兄さんに何かお願い事をしてたみたいだけど…何を話してたかまではわかんなかったよ。
「じゃあ、行ってきまーっす!!」
結構、盛大に村の人達に見送られて馬車が動き出した。
私は、皆の姿が見えなくなるまでずっと、手を振り続けて……さあ、出発よ!!と気合を入れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます