第26話


「———かっ、、、可愛いっっっ!!!」


 小屋には案の定、キャッキャしている女性陣と1兄の気配に怯えているポポちゃん達と、不穏ながらも困惑気味の1兄がおりました。


 ポポちゃん達の見た目?


 絵本とかに出てくる様な小さな妖精達が、ミツバチコスしてるって感じの姿ですが、何か?


 …初めはねえ、普通にミツバチサイズでちゃんと虫型でしたよ。


 男性陣は俺を微笑しそうに見ていたけれど、女性陣には結構嫌がられてたのは幼少期ながらも覚えてるよ。危険物扱いだったし。


 母さんもその頃は、ポポちゃんと居る時には絶対に近づいて来なかったしね。


 でもほら、ミツバチちゃんってば蜜集めて来るのが仕事な訳じゃないですか。


 ちゃんと俺にもおこぼれの蜜をくれる、可愛い子達だったんだけど…甘い物には目が無い女達が物理的に懐柔されるのは、割と直ぐの事であった…自然の摂理だったよね。けけけけ。


 そのまま舐めても良し、お菓子に使っても良し、お肌や髪系の美容品に使って良しな万能物を生み出せるポポちゃん達の人気はすぐさま鰻登りになりました。


 …寧ろ、もっと量産しろ!な視線をビシビシ頂くことになり…ポポちゃん達の専用の小屋まで建つ事態に。はい、この小屋がそれですね。


 小屋は村の女達にせっつかれた男連中が、頑張ってえっちらと建てました。


 …皆、ちょっとは男衆を労ってあげてっ!…と思った俺はちょっと涙ちょちょぎれたよ?

 だって、男達には一切蜂蜜回って来ないんだもの。涙目。


 見た目は只の小さなミツバチちゃんだけど、こんな強者いっぱいな森の中に居るミツバチが普通の虫さんな訳が無くてですね…2人がお察ししてた通り、ちゃんと魔物だったりしますよ、この子達。


 花の蜜も摂取するけど肉も食べるし、一番の大好物は魔石だったりします。


 魔石は魔道具作りに使ってるけど、ポポちゃん達にあげる分くらいはあるよ。


 で、魔石をいっぱいあげてたら…いつの間にか妖精さんになってました!


 …何を言っているかわからない?

 俺も解らない。

 まあ、推測で良いなら進化したんじゃない?としか。真顔。


 因みにこの子達。

 こんな見た目ですけど、喋れません。

 まあ魔物ですしね。


 どうやって意思疎通してるかと言えば、身振り手振りのジェスチャーですな。

 日本人あるあるの。

 言語が分かんなきゃ、全身使って何とか伝わんないかな!?理論で村人達は意思疎通を図ってます。


 俺?

 俺は、前前世の6兄(ムツにい)に魔物言葉を習ってたんで。相手に意思疎通の意欲があれば、喋れたりします。


 6兄は、テイマーさんだったので。

 ナンバーズ唯一の自身では戦えない系のお兄さんでした。

 …まあ、その為の魔物でしたしね。

 後、7兄が付きっきりで守ってました。

 蜂蜜に、砂糖に、牛乳、野菜など幅広い生産は彼が魔物を使って生み出してたので全力で守っておりましたね…6兄にはちょっとうざがられてたのは、内緒である。


 美食家の7兄(ナナにい)は超不器用さんだったので、生産職?の人をかなりリスペクトしてました。

 芸術は爆発だ!タイプで、実際物を作ると爆発してたからね…って、何でやねん!!


 俺も料理とか魔道具造りとかしてたんで、可愛がって貰ってたよ。


 6兄はアズマさんが奴隷市場の売れ残りから買って来たらしい。

 俺も親から売られた口だから、仲良くして貰ってたんだよね。


 6兄は褐色肌のナダルって言う結構有名な戦闘民族の子供だったんだけど、自身の戦闘能力皆無だって事で、親から売られたらしい。


 戦えない戦闘民族に需要ないって事で売れ残ってた所をアズマさんが購入。


 …魔物を仲間にするテイマーってところも、一般人からは忌避されがちだしね。


 最初から生産目的で買われてたんで、組織では大活躍でしたけどね。


 俺は、普通に農奴として売られてたんだけど。

 アズマさん曰く、“モブ顔”だったんで買ったんだってぇ…当時は意味が分かってなかったけど、日本人経由した時にボスひでぇっ!ってなったね。


 …まあ、確かに?

 モブ顔ってこう言う事!みたいな顔でしたけどっ!!

 うるさいわっ!




「———…さんっ……父さんっ!」


「おー…?何だ、何だ?」


 いつの間にか、ジェニーから話しかけられてた様でござる。

 すまん、すまん。もっかい1から良いでしょうか?


「もー!お父さんは、いっつもぼんやりさんね!!」


 ぷんぷんする娘も可愛い…ああ、今度は聞いてます聞いてますから!どーどー。


「…あー、はいはい。ポポちゃん達に全然伝わんないのね」


 まあ、ボディーランゲージって限度あるからね。

 でも、何処かに出掛ける事は何とか伝わったらしい…凄いなぁ。


 と言うことで、サクッと魔物語で会話して遠出する旨をちゃんとお伝えしましたよ。

 

 …長期って言ってもたかだか10日前後な事なのに、袖の下を要求されましたよ。


 これは皆にも伝わったらしく、キャラキャラ笑って「可愛い!」ですって。

 …要求は可愛く無いがな。


 おやつの魔石1キロに、魔物のお肉1キロ。

 特別に俺の力を込めた魔石を小屋周りに埋める事や、お土産の甘いものを要求されました…。いや、どんだけぇー…。


 えー…そんな警戒する奴とか、周りに居なく無い?

 保険とか言われても。


 どうせなんで、1兄とアズマさんにも協力を要請して魔石に魔力を詰めて貰ったら、ポポちゃん達大喜び!


 まあこちらのお2人、強強ですもんね。

 

 喜びの踊りでテンション爆上げだったのか、2人には滅多に出さない特別なお砂糖をお渡ししておりました。


 この蜂さん、砂糖も自分たちで精製出来るんですよねぇ。

 勿論、普通の砂糖ではありません。

 ちょっと薄めの蜂蜜色した砂糖は、これだけで食べても極上のスイーツを名乗れる位に旨みがすごい代物だし、美容効能も桁違いに凄いんだよねえ。


 …出してくれる頻度が頗る渋いんで、多分ポポちゃん達的にもそんなに作れない代物なんだと思います。


 アズマさん、案の定1兄の手から砂糖袋ぶん取りましたね。

 味見もさせない鬼畜野郎な所業ですけど…まあ、1兄はアズマさん至上主義者ですからね。


 本人同士が納得しているなら、それで良いと思います。うむ。





 …で、ジェニーちゃんに母さんはポポちゃん達に迫るの勘弁してやって貰っても良いですかね?


 俺も確かに色々出してましたけど、それってポポちゃん達の裁量の代物ですからね。

 あくまで、蜂蜜生産してくれてれば俺らの間的には特に問題無い訳で。


 ぶすくれモードの女性陣に(リースはあわあわしてた…うむ、可愛いしか無い)仕様が無いんで、手持ちの蜂蜜砂糖から作ったべっこう飴をお口にインさせて黙らせました。物理。


 …ちゃっかりお口を開けて待つ、うちの奥さん(かわゆし!)にも勿論インして差し上げました。…それは良いんだけれどね?


 アズマさんはその無言の圧力、止めて頂いてもよろしいでしょうか。

 しょうがないんで、1つ1兄の方にお渡ししますよ、怖いし。


 いそいそとお口にインする様は見ない振りです。

 2人のイチャイチャとか、俺には一切需要ないし。


 ———ポポさん達も、いるの?

 口を開けて待ってる姿に、女性陣がまたもやキャッキャしてましたけど。


 出し渋ってたら追加で原料くれたんで、1匹につきお1つはお渡ししましたけれども。

 これ作るの結構手間なんで、あんまり出したくないんだけどね。


 まあその意図が伝わったのか、ちょっと多めに原料貰えたのは良い事だったのだろうか…。


 ささっと、マジックバッグへインしました。

 袋の行方を鷹の目の如く狙っている人が約3名おられたので…。


 ———アズマさん、流石アズマさん的なね。

 あなたの分はもう別で貰ってたでしょ!こっちの分まで、狙ってこないで欲しいよねぇ〜。…切実に。



 ……まあ、これで後は憂なく村を出発するだけになりましたよね。

 

 購入した幌に色々細工してー、明後日位には出発したいと思いますっ!

 テンション上げ上げぇ〜〜!!で色々設置していきますよ、なノリだったけど…。


 何故か2人監督の元なのは…やりにくいな?

 











 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る