夢の戦闘 その6
これは現実だ。
「…って、事はソージ君達はそのまま永遠にユメの夢の中に閉じこめられ仮死状態に?」
ジュンコはタケルに聞く。
「そう言うことだ。」
タケルは悔しくてたまらない。
「方法はないの?」
「もう、ソージ達もユメも殺すしかない。」
ジュンコは殺伐とそれを受け入れた。
「わかった。私が殺すわ。あなたは幸せに生きてちょうだい。」
「何を言っている。お前が幸せに生きろ。」
そこへ、所長が割ってはいってきた。
「何をさっきから言ってるかわからんが汚名なら私が背負おう。」
「所長…。」
タケル達は一連の騒動を反す。
「と言うこ事は、ユメちゃんが人類の敵でソージ君達が戦っていると。そして、あのユートまでが?」
所長は深々と考え込んで顔をこわばらせる。
「やっぱり信じれないか。」
「私だって最初は信じれなかったし。」
暫し黙っていた所長が口を開く。
「ふん、面白い夢物語だよ。協力しようじゃないか。」
思ってもいなかった答えが返ってきた。」
しかし、所長はあくまでも自分の気にくわない奴らの処分としての協力である。
ひん曲がった協力ではあるが、ソージ達の殺害は行われようとしていた。
「殺害方法は安楽死の駐車を討つ。」
所長は裏ルートの医者に連絡して、知り合いの警察をお金で回し裏取引は成立した。
「元ヤクザの俺でもこんなマネはできねぇぜ。さすが所長だな。」
関心するタケルに対しジュンコは内心困惑して泣いていた。
そして本音が出てしまう。
「ほかの方法があれば…。」
「ないんだよ。もう…。」
タケルがジュンコを抱きしめて慰める。
すぐさまタケル達はソージ達の安楽死の準備をする。
一刻一刻せまるソージ達の処分。
たった一人の少女のために三人もの犠牲。
幸福の人生を歩むはずだった少年ソージ。
平凡な日常を過ごしていた少年ユート。
何不自由ない家庭で育った少女マイコ。
そして、不幸にさいなまれ暴走した少女ユメ。
大人の身勝手な判断で死の淵までたたされる少年少女達。
だが、四人殺害するだけで世界中の人類は救われる。
人類の敵ユメはいなくなる。
「やりますよ?」
カウンセリング室に横たわる少年少女達に注射針がささる。
液体が体内に入っていく。
「うう…。」
涙を流すジュンコ。
タケルもこんな結果に腹の虫が治まらない。
「くそー。」
「いいじゃありませんかこれで世界は救われる。私たちは世界を救った英雄ですよ。」
所長が笑いながら言う。
これは夢ではない現実である。
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