黒い少年

私の家族は父親の仕事の関係でアメリカに住んでいた。その頃に家族の体験談をもとに一つの怪談に落とし込んだものを紹介したいと思う。

私の家系に霊感という類いのものは特別なく、せいぜい母方の家系が信心深いといった具合です。私の家族が件のアパートの一室に引っ越した時、まだ私は産まれておらず、伝聞であることに留意していただきたい。


 姉がまだ3、4歳のころ、一人で子供部屋で遊んでいると視界の隅で何かが動いたような気がした。その方向に目を向けるとクローゼットの中から姉と同じくらいの年の幼い少年が覗いていた。少年の服装は上はシャツ一枚でどことなく生気のない青白い顔をして全体的に黒くボヤっとしていた。姉は純粋なのか家族じゃない人が自分の部屋にいることに疑問を持たず、その黒い少年に一緒に遊ぼうと声をかけて手招きをした。しかし、少年は出てくる様子もなくクローゼットの中へと戻った。姉は、気になってそのクローゼットの中を確認したが結局、跡形も無く消えていた。

 姉がそのことをリビングにいる母に伝えると、母は引っ越す前の内見の時の話を教えてくれた。母がクローゼットの中を確認するとそこには、クレヨンで描かれた一人の子供と両親らしき人の家族の絵があったということだった。不動産の人に確認したが特に何も知らなかったらしい。


 私には姉の上に兄もいるのだが、兄のその家で体験した話も紹介したいと思う。

兄はよく部屋の中を走り回る活発な少年だった。その日もリビングを走り回った後、バスルームに走っていこうとしてリビングのドアから出ようとした瞬間、横にゴミ袋を片手に抱えた2mくらい(おそらく子供の視覚補正)の黒い男がいた。兄は絶叫してリビングの母に泣きついた。


 私はその話を姉の話を聞いた後に思い出してゾッとした。ゴミ袋の中身は想像したくもない。

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晩酌の時に読みたい短編集(1~2分) 七星吟 @sinyanovel190419

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