2-2【美少年】
大学の敷地内でちょっと憩いの場を見つけた。
小鳥たちと戯れられる場所
そこは高校の校舎の近くにある小さなお庭
あまり人が来ないところだから
わたしは時間があればここにきて
小鳥達と会話しながら"地球のひずみ"も整えてる。
ある時いつものように小鳥達と遊んでいたら
キラキラ輝く茶色い髪にスラッとした長身の美少年が
こちらに向かってきた。
彼が近づくと小鳥達は彼の肩や頭に止まって嬉しそうにさえずり始めた。
「初めまして、僕は
ここの高等部の2年生です。」
爽やかな笑顔に思わずうっとり見とれてしまった。
「あぁ 私は・・・」
「
彼は何故かわたしの名前を知っていた。
「なんで!・・・」
ああ雑誌か・・・
「雑誌で見つけて以来僕はしずくのファンなんだ!」
やっぱり
「こんなところで会えるなんて夢みたいだ!
しずくはここの大学生?いつもここに来るの?」
いきなり呼び捨てかい。
「あぁそう大学一年 ここわたしのお気に入りの場所なの!
そういえばきみも小鳥がなついてる。」
「僕は小鳥の気持ちがわかるから!」
と飛び切りの笑顔で答えた
うわ~なんとまぶしい・・・
これぞ王子様だ
「そうなのね!私も同じだ!
同じ特技の人に会えてうれしい!」
「僕もうれしい、しずくと同じ特技で」
彼は本当にうれしそうにそう言った。
「おい行くぞ!」
「あっごめん行かないと・・・」
「しずく、またここで会える?」
「そうねっ!だいたいこのくらいの時間にいつもいるかも!じゃあまたね」
彼に手を振って、
「誰だあいつ」
「高等部のなんだっけな・・・
あっそうだ
「
「あの子わたしみたいに動物と会話できるんだって!」
他にも出来る人いるんだからばかにできないでしょ!
どうだ!
「・・・」
あれ?無反応・・・
もう『あの星』の事も認めたから慣れたのか?
まーいいや
次の日秘密の庭に行ってみるとすでに彼がいた。
小鳥達とたわむれてる姿が
あまりにも美しくて、しばらく見とれてしまった。
「あっ!しずく!待ってたよ!」
彼の笑顔に何故か心があたたかくなった。
それ以来わたし達はこの場所で会うことが日課になっていった。
わたしは何故か大学に来るというより
ここに来ることが楽しみになっていた。
「そういえばわたし
こうやって動物や植物とコミュニケーション取りながら
”地球のひずみ”を整えてるんだけど、
なんか、ふと思ってやり方を教えてしまった。
「面白そう、こうやればいいの?」
「やっぱセンスいい!なんか空気感変わったのわかる?」
「わかるわかる」
いいじゃん!いいじゃん!
”地球のひずみ”を整える仲間が出来た!
こうして感性が同じ人と一緒にいるのはすごく心地いい
仲間だったらいいのに・・・
でも『星のかけら』は今まで光ってない・・・
って
えっ!!ちょっと!!!
「
咲いてない花まで咲かせちゃってた。
「あぁなんか集中してやってたらこんなになっちゃった・・・」
その爽やかな笑顔がお花畑にとてもお似合いで
きゅんときた。
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