1-22【疑惑】

「・・・ねぇ、承太郎じょうたろうくん・・・」


「あぁ」


「これ光らなかった」


帰りの車の中でわたしはそうつぶやいた




「あぁ・・・ポチはまだ爺さんのことろみたいだな」


「ポチも気づいてるよねきっと!」



「でも待て、ポチの方から言ってくるまでは・・・


うわっ!ポチ!いつの間に」


「ポチが 承太郎じょうたろうくんちょっとうち寄れるかって」 


「あぁ」


美味しいご馳走頂いてお腹もいっぱいで

山田さんの心地よい運転に揺られてうたた寝してしまったら


あっという間に家に着いてしまった。



「山田さん少し待っていてもらえますか?」



「はい。かしこまりました」


「ただいま」


「おっ、ねーちゃんおかえり」



日向ひなた、ママたちは?」


「叔母さんとこに行ってくるって言ってたけど。」



「あっそ」



「お邪魔します。」


「あっどうも」


日向ひなたは少しびっくりした様子で挨拶していた。 

男の人を家に連れてくるなんて今までなかったし 



承太郎じょうたろうくん先にいってて、飲み物もってくから」


「あぁ」



「親が居ないときに男連れ込むなんて

ねーちゃんいい度胸してんじゃん」


「ちょっと、ママたちに余計なこと言わないでよっ!」



「じゃぁ~口止め料千円!」 

と笑顔で右手を差し出してきた。 


生意気になって来たな 



「あんたね~・・・・」


別にやましいことはないけど、わたしは日向ひなたに千円渡してしまった   


「まいどっ!」


日向ひなたは千円を受け取ると、リビングのテレビをつけてくつろぎ始めた  


わたしは飲み物を準備して2階へ上がった。 



「『星のかけら』が光らなかったのだろ」


「あぁ」


「ポチは何故だか知っているのか?」


「すり合わせた記憶は同じだった、まだよくわからんが

もしかしたら転生していないのかもしれない」



「転生してないって・・・どういうことだよ」


「わからん。しばらくわしが調べる。だからお前たちは彼に近づくな」


「お待たせっ!」



わたしが部屋に入った頃にはだいたい話は終ってた


「どういうことなの?」


「ポチによると爺さんは転生してないかもしらないって」



「えっ!そうなの!」


やだなんか急に涙が込み上げてきた。



「おいどうした」


「わかんない・・・


おじい様が転生してないのだとしたら、

あの時別れた人達はまだ生きてるって事じゃない!」


そのことがわたしにとってすごく喜びに感じた。 



「そうかもしれないな


とにかくまずはわしが調べるから

お前達は仲間を早く見つけなさい」



「わかった!」 


わたしは希望に満ちた気持ちで元気にそう答えた

なんか、なんかやる気が出てきたぞ~

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