1-16【承太郎の祖父】(2)

爺さんの家までは車で一時間ほどかかる。


これまた大きな洋館だ。 



屋敷に着くと付き人たちが出迎えてくれた。


承太郎じょうたろう坊ちゃん。お久しぶりです。また大きくなられて」


ココへ来るのはほんと久しぶりの事だった。



爺さんの部屋は長い廊下を通た奥にあった。


トントンと大きく重々しい扉を叩くと


「入りなさい」


と爺さんの声がした。



「失礼します。お久しぶりです。」


「まー座りなさい。」


爺さんの向かいのソファーに座った。



承太郎じょうたろう少し見ないうちに大きくなったのう」


「・・・何のようでしょうか?」



「そうじゃのう、お前は『綾瀬あやせしずく』と言う名知っとるじゃろ?」


「はい。なんで爺さんがその名前を・・・」



「この方も知っとるじゃろ」



とそこにポチが人の姿で現れた。



「ポチっ!」


「ハハハハっポチか

お前はどこまで『あの星』の話を思い出したのじゃ?」


「『あの星』の話?」



するとポチが


承太郎じょうたろう殿、初めてうちに来たとき

本当はすでにしずくの事知っていたのだろう?」



どういうことだいったい・・・ 


「ああ」



「しずくが誰なのかは思い出したか?」


「誰って・・・?」



「それはまだなのかのう?」



「俺はあいつのうちに使えていて子供の頃から一緒に育った・・・


でお互いに惹かれ合っていたけど、身分が違い叶わなかった。


ってとこか・・・」



「ほっほ~、なんだお前たち好きおーとったんかい」


なんだよそれ、からかってんのか爺さん。



「ゆっ柚希ゆずきもそうなのか?」



「『あの星』では柚希ゆずきはお前の妹じゃ


で、わしはお前の叔父にあたる」



「他にもいるのか?」



「わしらを入れて12人いるはずじゃ、

それらを探す必要がある。」


「探してどうするんだ?」



「何故このような記憶があるのかわからんじゃろ?

記憶があると言うことは何か意味かがあるって事じゃろ?」



「あいつが言ってた『かけら』の話も爺さん知ってるのか」


「おいおいおいまて承太郎じょうたろう、わしかて全てを思いだした訳ではない」



「まずこのお方は『あの星』の王様じゃ、で彼女はその娘


12年前にこの辺りで殿下に出会ってから、わしは少しづつ思い出してきた」



12年前って俺たちがあの木を見つけた時


「そういえば、ポチはあいつの側にしかいられないんじゃ・・・」



「この場所だけは特別だ」




「子供の頃お前たちが山の中で見つけた木があっただろ


覚えているか?あの木の近くにもわたしは居ることができる。」



「ちょうどさっきそのことをあいつと話していた。 


で!仲間を集めるにはどうしたらいい?


どこにいるとか検討はついているのか?」



「・・・」(祖父)


「・・・」(ポチ)


「それがわからんからお前を呼んだんじゃないか」



「・・・」(承太郎)



「今まで見てきてだが、しずくの中で何かしらの心の変化があると


他の者も影響を受けて思い出すようだ!


だがあのこは不安定だ 

なかなか思い出さない

なにか思い出したくない理由があるのかも知れない・・・」



「じゃあ。なんだ。

俺はあいつの側にいて周りの様子をみてればいいのか?」



「とりあえずはそんなところかのう

よろしいですかな殿下?」



「頼んだぞ、承太郎じょうたろう殿。 


褒美にこの星ではお前たちの恋愛を応援してやる」



「なっなにいって・・・」



爺さんたちに遊ばれてんのか俺は・・・



承太郎じょうたろう。遅くに悪かったのう。夕飯でも食べてから帰りなさい


お前の好物を用意しとったから」



「あぁ」


俺はこの話を聞いて何か腑に落ちないでいた 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る