一週間前、今日から毎日会えるなんて幸せ～！

って思っていたら、

もう明日はいよいよ期末試験！

ということは・・・

当たり前のように承太郎（じょうたろう）くんに会えるのは今日で終わりか・・・

「お前宿題ちゃんとやったか？」

「もちろん！　承太郎（じょうたろう）くんのお陰で

ちゃんと理解できるようになった！」

「あとは今まで伝えたポイントだけ抑えてあれば大丈夫だと思うから。

今日はそれをおさらして終わりだな。」

「すごい助かった～ありがとう承太郎（じょうたろう）くん！」

「柚希（ゆずき）にお前のその能天気さが少しはあればいいだけどなっ！」

「柚希（ゆずき）ちゃん？」

何で急に柚希（ゆずき）ちゃんが出てくる　

「昔はもっと活発だったんだけどな」

「そうなんだ・・・」

「5才くらいの頃、山にハイキングに行って

そこで柚希（ゆずき）がすっげーきれいな木を見つけて

崖を降りて近くまで行こうとしたんだぜ

最初の一歩で滑ったから、俺が止めたけど

そういえばあの時、もう一人の女の子が

どんどん下りてっちゃったけな～」

「！！もしかして、その子崖の下まで落ちなかった？

で大騒ぎになったんじゃない？」

「あぁ確か大騒ぎになってたな」

「それわたし！そっか～あの子たちって

承太郎（じょうたろう）くんと柚希（ゆずき）ちゃんだったんだ～」

やっぱり運命なんじゃん！

「お前何ににやけてんだ」

「・・・なんでもない」

「てことは、お前の親父さんはうちの会社の社員てことか？」

「えっ？承太郎くんのお父さんの会社？

真壁コーポレーション？そうだったの！？」

「そうみたいだなっ

そんなことより続き・・・」

へぇ～そうだったんだ。

何だ承太郎（じょうたろう）くんとの接点ありありじゃん　

「よしっ！これで俺の仕事は終わった。

これ以上責任は持てないからなっ！」

「大丈夫だってありがとう。」

「で悪いが、今日でお前に会うのも　

終わりにしたい。」

「えっ・・・なんで今そんなこと言うかな」

「仲間とか言われても、俺はわからない

それに俺は柚希（ゆずき）の側にいてやりたい」

「はっ？・・・」　

試験前にしかも告白もしてないのに

なんでふられてるのわたし・・・

泣くつもりなんてなかったけど

涙があふれて止められなかった。

なにも今言わなくったいいじゃない

「泣かれても困る・・・」

「泣いてないっ！」

何故か　強がってみた。　

気まずい中、今日もちゃんと家まで送ってくれた。

家までの道のりわたしたちは珍しく無言だった。

っていうかわたしがしゃべらなければ

彼は結構無口だ。

何故か今日はおちゃらけることもできないくらい全身がだるかった。

ぼーとしながら歩いていると家に着いた

「ありがとう」

「あぁ。がんばれ。じゃっ！」

わたしはすぐに家に入らず　

彼の後ろ姿を見送った

「いやだから、このまま会えなくなるのはいやだから」　

と言ってみたけどその声は届いてなかった。

なんだろうあまりの衝撃のせいか頭がぼーとする。　

「ただいま」

「お帰りなさい」

ママが迎えてくれた。

わたしはそのままママの胸の中に倒れこんでしまった。

「きゃ～しずくちゃんどうしたの大丈夫？

ま～すごい熱。パパちょっと来て～」

ママの叫んでいる声を遠くに聞きながら

わたしはそのまま意識がなくなった