1-11【修学旅行②】

「あーよく寝た」


長い時間寝た気がする・・・。

昨日はいったい何が起こった?



まず火山のところで


ものすごい恐怖に襲われて、

なんか死ぬかと思った・・・



そこから少し落ち着いて砂浜にいって


あの時変な感じがした・・・

なんだろ?いろんな思いが一気に湧いてきて


なんかすごく悲しかった気がする・・・



それで途中で意識がなくなったような・・・


なんか承太郎じょうたろうくんとキスしなかった?

わたし・・・


キャー



あれは夢?現実?

だってだって承太郎じょうたろうくんの方から・・・



赤面しながら暴れていると、


隣で寝ていたあかねが目を覚ました 



「あ~しずく起きて大丈夫?」


「あっおはよう!全然元気!!」


「よかった~」


「心配かけてごめんね」



「昨日、承太郎じょうたろうくんがここまで運んできてくれて・・・びっくりしたよほんと!


担任の前田が慌ててたよ。


でも保険の先生と承太郎じょうたろうくんが冷静に対応してた


ところで何があったのぉ???」



「それが・・・


あっ朝食の集合時間になるから着替えて出ないと。 


移動しながら話すね」



「そうね」 



わたしたちは急いで着替えて朝食の部屋に向かった



「二人と別れた後、わたしたちは浜辺にいったんだけど・・・


それがなんかさ~夢かもしれないんだけど

キスした気がする!


あ~でもよく覚えてないんだよね~

でもさ~なんか向こうからしてきたような気がするんだよね~」



「キャーなにそれ~、承太郎じょうたろうくんやっぱりしずくのこと好きなんじゃない!」



「そうなのかなぁ?」 


なんかあかねに言われたらほんとそんな気がしてきた。 



「そうだよそうだよ!


でさーわたしのも聞いてぇ~」 




「え~なに?なに?」



「わたしたち付き合うことになりました」


「え~!!ちょっといつの間にぃ?」



「なんか話してたら小学校の入試の時に


塾が一緒だったっていうことがわかり、話が盛り上がって


つかさくんその時わたしのこと好きだったんだって~」



「え~なにそれ!いいじゃんいいじゃん!」



わたしたちは朝からテンションマックスで盛り上がっていた 


夢中で話してたら案の定、人にぶつかった。 



「朝からきゃぴきゃぴうるせーなっ」


承太郎じょうたろうくんだった。



「あっ承太郎じょうたろうくん昨日はありがとう」


「もう大丈夫なのかよ」


「うん!」


わたしは元気に答えたけど

承太郎じょうたろうくんの顔見るの照れるな



承太郎じょうたろうくんは 


「・・・食事が終わったら顔かせ」


と言って立ち去ってしまった。



なに?照れてるのかぁあいつ! 




「っちょっと、しずく

これはまさかの告白じゃないの?」


「そっ・・・そうかなぁ!」


なんか顔がにやけてきた。 



視線の少し先から柚希ゆずきちゃんがこちらを見ていた。


昨日の夕方から女子も合流したみたい。



食事が終わって

わたしたちはホテルの中庭で待ち合わせた。



あかねが変なこと言うから、


何を言われるのか期待と不安でどっきどき

そこに承太郎じょうたろうくんがやってきた



「昨日はあんなことして悪かった」


「悪かったって?」



「思わずというか、気づいたらしてた・・・」


えっ!

やっぱりキスしたんだ~わたしたち~


でも


「ん?・・・なんで謝るの?」


「なんていうか・・・そういう気持ちがないのに 

してしまって悪かった・・」 


はっ?

そういう気持ちって何?



「で、あの時お前は何かみたか?」



わたしは状況が呑み込めないまま、質問に答えた 


「何かって?宇宙人とか幽霊とか??」


「・・・見てないならいい。話はそれだけだ、じゃ」



「えっそれだけって?・・・」


えっ?ええええええぇ~



さっさと承太郎じょうたろうくんは部屋に戻ってしまった


「ちょっ、ちょっとまってよ!

なんで謝るのぉ」 



期待とは違う展開に頭が付いていかずぼーぜんとしてしまった

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