持久走

「あー、今日は持久走かぁ。マジ嫌だわ」


「そうだなぁ、つかれるもんな」


「お前はいいよな、学校でも噂の体力お化けで。俺みたいな文化部学生とは違うもんな」


「そんなことないぞ、別に俺だってつかれるし」


「…シャトルラン今年何回だった?」


「243回」


「ふざけんな!243回できるやつがたかが3キロの持久走で文句を言うなよ!なんだ243回て、片道何秒ペースだよ」


「そんな早くないぞ?途中からは流石に設定変えてたから速度上がらなくなったし」


「上限いってんじゃねえか」


「来年は500目指したいなあ。」


「え?二倍目指すん?バカなん?…ていうかそこまで行くと普通に授業オーバーするだろ。」


「あ。それは確かに。じゃあ、放課後とかにしてもらうか」


「そこまで記録にこだわらないでもあなたが一位ですよ。」


「…ねえ話は変わるんだけどさ、今日の持久走一緒にゴールしない?」


「…無理」


「えー、なんでぇ?」


「逆になんでいけると思ったんだよ、俺シャトルラン64回ぞ?243回の人外についていけるわけねぇだろ。あと大体、そのセリフ持久走においての禁句の一つだろうが」


「え?そーなん?」


「当たり前だ!基本どっちかが遅れるか抜かすかでよく最後に喧嘩になるから普通誰も言わねぇんだよ」


「へぇー、知らんかった。俺昔から普通に言ってたわ」


「…ちなみに誘いにのってくれた人は?」


「ゼロ」


「学べよ!なんで誘いにのってくれないのかなぁ、とか思わんかったんか!?」


「そういやなんも考えてなかったな、じゃあ一人で走るか、ぐらいにしか思ってなかったし。」


「おんなじぐらいの人と…ってそうかお前と同じ速度のやつなんてこの学校にはいねぇわな」


「そーなんだよ、だから一緒に走ってよー」


「…はぁ、ちゃんと一緒にゴールするんだろうな?」


「おう、ちゃんとゴールは一緒にするよ」


***


「位置について、よーいドン!」


(あー、ついに始まった。まあ、こういうのは変に無理して後半減速しても意味ないし一定のペースでゆっくり目が鉄則だよな。…そういやあいつはちゃんとついてきてるんだろうか?)


「ひゃっほーーーー!!!」


(わぁ、あいつ全速力だぁ。…ふざけんなよ!一緒に走るって話どこ言ったんだよ!あいつから言いだしたんだぞ!?あ、もう1周差になった…やっぱこいつアホはえぇ。そんで合わせる気一切ねぇ)


***


「はぁ、はぁ」


(…よし、これが過ぎたら残り4週。残り半分、体力も半分で完璧、このままのペースで行くぞ。…そういやちょうどあいつが終わったぐらいかな?あいつ今何してんだろ?)


「ふぅ、…お、がんばれー。」


(ん!?あいつゴール前ですわってねぇか?…いやただ走り終えて休憩してるだけか。とりあえず自分を優先しないと。)


***


(ふう、よしこれであと3周だな。ん?なんかゴール前であいつが先生ともめてる…。)


「おい!早くゴールしろ。もうあとあるいてもいけるだろその距離。タイムどんどん遅くなるぞ?」


「いやー一緒にゴールしようって言った人がいてですね。」


「誰だよ!?そいつ」


(…………………………………。あいつゴールしてないんかい!!、は?一緒にゴールするってタイミングだけ合わせるとかそういうのじゃなんだけど!?ていうか普通に先生と口論になってやがるし!)


***


「だから、言えないって!」


「いえ!そしてお前はいい加減ゴールしろ!!」


(oh、まだやってる。…これ、ばれたら、くそだるいやつだな。いそごっと。)


***


(よし、残り2周の半分まで来たぞ。もうあと少しだ!)


「ううぇーーーい、あ、早く来てねー」


(…!?なんであいつ正面からくんの!?え!?…まさか、)


***


「お前!!暇だからゴール手前で往復するってどういうことだよ!!ならはよゴールしろ!!」


「だから、待ってるんだって」


「じゃあ邪魔になるからせめてここにいろ!!」


(…あいつ何やってんだよ!!一周戻ったからもう一周必要だね、じゃねえんだよ。持久走はゼンマイじゃねえんだよ!!)


***


「はぁ、はぁ、やっとゴールが見えてきた。くそ、あいつが何しでかすかわかんねえから最後早く行き過ぎた…。」


「お、やっとゴールじゃん。じゃ、お先に。」


「…お前!!ここまで待っといて一緒にゴールしねえのかよ!!…あ、叫んじゃ…。」


「お疲れーって、大丈夫?…あ、見事に酸欠で倒れてる。…せんせー」


「…もう二度と一緒にゴールなんてやらねえ。ガクッ___」

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脳死で書くギャグ小説 kこう@受験によりほぼ停止中 @kwkou

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