神が地上に降りたって冴えないおじさん女子高教員を救う?話
@dangimlet
第1話 天界の世界
「はぁ眠い」
「ちょっとあんたっ昼間から寝てるのぉ?」
白髪まじりで年齢は70代くらいの
高坂葉摘(たかさか はつみ)は言った。
「えっ?ああっまぁ…って寝ミィんだからしょうがねぇだろ?」
と旦那の高坂金也(たかさか かなや)、が言った。
顔は若くつやがあるが頭はとんがりハゲ頭だ。
年齢は60代くらいだ。
はつみの励ましと美味い手料理のお陰なのか
転生するための第一段階の修行が
わずか20年で完了した。
通常は40年かかる。
はつみには恩はあるが十数年も一緒に居ると恩も薄れてくる。
出会いは転生するための第一段階の修行、滝行の時だ。
はつみに声をかけたのは、かなやだった。
話しかけたのは、なんとなくだ。
喋っていたら何故か気が合い意気投合した。
修行帰りにはよく飲みに行き修行のうっぷんを晴らしていた。
次の第2段階の修行は、どん底の人を救う事だ。
誰でもと言う訳ではなくカナヤの前世での
人生経験を元に天界で決められる。
最初はやる気があったが1年以上も救い人が現れない為
やる気はどこかへすっとんでおり、
のらりくらりの毎日だった。
ある晴れた日の昼食後、かなやは爆睡していた。
「ねぇあんたぁ、
私はそろそろ転生したいんだけどねぇ。」
「ああわかってるよ。」
はつみは要領が良く、すでに救い人を助ける事に成功していた為
自由に転生する事が出来たが、かなやの事が気がかりだったため
転生を思いとどまっていた。
転生は基本的に本人の意思で決める事が出来る。
天界では前世の記憶が消える。
正確に言えば消えるのではなく忘れてしまう。
記憶自体は心の奥底にあるため前世で辛い記憶がある場合は修行者を
天界にとどまらせる。
十年、百年、千年だろうが本人の意思に、ゆだねられる。
かなやが郵便局に手紙を出しに行っている時、かなやの脳裏に何か光る物を感じた。
胸騒ぎが起こり、急いで天の窓を見下ろした、その中は雲が一面に広がっている。
しばらく見ているとカナヤは酔いそうになった。
諦めずに見下ろしているとかなり遠方にわずかな光が見える。
「ただいま。」
「はいっおかえりなさい。」
「やっと救い人が現れたと思う、たぶん。」
「えっホントにぃ、良かったねぇ。」
と孫に言うようにハツミは言った。
「じゃあ急がなきゃだねぇ。」
「ああっ早くしないとチャンス逃しちまうからな。」
「行ってくる。」
「はいっ気をつけてね。」
はつみは手を振った。
かなやは急ぎ足で天の窓に向かう。
カナヤは天の窓のふちに足をかけようとした。
先ほどは立っていられたはずの場所が透け
かなやは足を踏み外す様に落ちていく。
「えっ、、、 えーーっーーー。」
カナヤは体ごと落ちていく。
しばらく降下すると自分が光を目掛けて進んでいる事に気づいた。
かなやはスーパーマンの恰好をしたり平泳ぎをやってみるが
スピードは特に変わらず、一定の速度で光に吸い寄せられていた。
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