第24話

小さい頃母さんと2人だった。大変だったけど楽しかった小6の春。父親と名乗る男が現れるまでは。

「見つけ出すのに苦労した」

そう口にした男はにこりともせず俺の頭を撫でた後

「何かあれば電話しろ呼ぶまで帰ってくんなよ」

何も言わない母さんと早く行けと顎を使う男

何か言ってやりたかった。言葉なんてなんでもよかった。出てきてはくれなかったのは大人と子供だったからだろうか。

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