第14話 気づいてしまう
-side ラルク-
「次は何作ろう?」
かまどでパンを作り終え、パパとセバスを見送った俺は次の物を製作することにした。
「武器や採取に必要なものは決めたいけれど、まだ早いよね。もうちょっとかまどに慣れてからにしたい」
いずれ、ダイヤとかを取りに行くなら装備をもっとしっかりしたものにするのは必須ではあるが、試行錯誤しながら行わないといけないことも多いため、一旦保留だ。
なんせまだ2歳なのだ。危ないことは極力しない方がいいだろう。
「家のリフォームに関することは家族やセバスと決めたいし」
道はともかくとして、建物をいじるのは色々相談してから決めたい。
かまどのように、専門家に聞かないとわからないこともあるだろう。
ふむ。やっぱり、幼い子ども1人で出来ることは限られてるなー。
「うーむ。決めた!自分の身の回りのQOLを上げることにしよう!」
今までは家族や村……町のために何かをやってきたが、たまには自分のために何かをやることも大切だろう。
「そもそも、かまど職人さんが点検してくれるまでは、そこまで本格的に利用しない方がいいみたいだし、ぱぱっとできるものにしよう」
となると……ガラス……かなあ?
「でも、やっぱり大変……かなあ……。いや、待てよ?」
さっきパンがあっさりできたけど、普通、かまどを手に入れたからといってそんな簡単にパンができるわけない。
かまどがあっさり作れたのもそう。
おそらく、ここはゲームの世界だから前いた世界に比べるとかなり楽にものが作れるのだと思う。
多分、ガラスも砂と燃料をかまどに入れたら完成するだろう。
これが前いた世界だったら、純度の高い砂を溶かして溶けやすくするためのソーダ灰(炭酸ナトリウム)と強度を上げるための石炭を混ぜ、1500度くらいまで加熱しながらドロドロに溶かす必要があるが、それはないはずだ。
もしかして、もっと雑にかまどに放り込むだけで色々な物が作れるのでは?
「物は試しだ。やってみるか」
俺は砂を取り出し、そこらへんの木の棒と砂を放り込む。
--ボオオオ……!
--ポンッ!
ガラスだ。ガラスが出来上がっている。うおおおおお!
「やっぱりいいいいい!」
かまどにすごい雑に入れたのにできてしまった。
「今までの苦労はなんだったんだ……」
前世の知識を生かして、結構丁寧にかまどを作ったりしていた。
あえて、ちょっと前いた世界に寄せてかまどを作ってみたりしていたのだ。
けど、全然そんな必要なかった。必要なのはこれに似たゲームの知識だったと言うことか。
えーっと、確か……ゲームでのかまどの作り方は、丸太8個と……
ん……あれ……もしかして……
「もしかして、クラフト台なる物がこの世界にも存在するのでは?」
気づいてしまった……!チートすぎる文明の力に……!
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[新作]
「異世界発展村++〜クラフトシミュレーションの世界に転生。元平民だと追放されたので、チートスキル[植物建築]で、なぜかついてきてくれた婚約者の天才美少女とチルくてストレスフリーな領地開拓スローライフ〜」を書き始めました。もしよろしければ、よろしくお願いします!
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