2日目

日記は、2日目に突入。


しかし、

今日も、

一歩もこの部屋から出ていない。

むしろ、

一歩もこの部屋から出たくない。


平たく言うと、

引きこもり。

何処かの自治体が、

こもりびとって言い換えていたっけ。

ちゃんちゃらおかしい。

救いようのないセンスの悪さだ。

しかしそれよりもっと、

私のほうが、

救いようのない状態の人間だ。

ちゃんちゃらおかしい。


閑話休題かんわきゅうだい

ああ、

孤独だ。

孤絶なのだ。

隔離病棟にでもいるような錯覚が、

眩暈めまいのように襲ってくる。

いや、

人生とは案外こんなものかもしれない。

「思い通りにいかないのが人生」

全くもってごもっとも。

これぞ至上の金言。

やはりピン芸人に転身して

声高に叫んでみたいくらいだ。

そうしたら、

意外に笑いの才能が芽生えたりして。

「貴方には笑いの才能がある!」

そんな見当違いなことを言ってくる、

スカウトが現れたりして。


あはは。

なんて様だい。

早くも詩人からピン芸人に転身かい?

優柔不断の塊のくせに。

なるほど。

優柔不断の才能なら誰にも負けないかも。

しかし、

それはそれで、

みっともない才能だ。

ああ淋しい。

ああ悲しい。

ああ苦しい。

同情の声を期待してるんだ。


だいたい、

この文章は、

日記かい?

落書きかい?

まさか、

詩ってことはないだろう。

いやいや、

嘘は駄目だな。

なんとなく、

詩の、

あるいは、

文学の匂いがするから、

ここに記しているのだ。

何もかも、

バレバレなのだ。

おーい、お茶!

違った。

おーい、詩の神様!

お前は天才だって、

太鼓判を押してくれませんか。

まっ、

そんなこと起きるわけないか。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る