プロローグ

隣国の王太子ではあるけれど、親同士が仲良かったこともあり昔から交流があったアレス様。


昔からとても気が合って、一緒にいても気が楽でこの時間がいつまでも続けばいいと何度思っただろうか。


お母様が亡くなってとても悲しかった時もずっと側に寄り添ってくれて、落ち込んでいる気持ちを和らいでくださった。


そんなアレス様だからこそ、親同士の話し合いの中でアレス様と私が婚約することになった時も幼いながらに喜んだ覚えがある。




月日が流れ、成人の歳に近づくにつれて私にも夢が出来た。


何にも縛られず、自由で生きていきたい。好きな時に好きなことをして、何も気にせず思いのままに行動したい。


でもそれを叶えようとすると問題が出てきた。



婚約者という存在。



アレス様は隣国の王太子というお立場。優秀な彼のことだからゆくゆくは国を纏める国王となる。そんな彼とこのまま婚約を続ければ私はアレス様のお隣に立つことになる。


でもそうなってしまうと、私の夢を叶えられる可能性が無くなってしまう。だから、




婚約破棄をしよう。




私の夢のためという不安定な理由での婚約破棄はお父さまが許すことは無いでしょう。

それなら、悲しくはあるけどアレス様に嫌われて婚約破棄に持ち込むしか方法はないようね…












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