第7話

―――――――――



いや、ごめん。

間違えた。



街中に獣がいるはずがない。



けど、そう見えた。



しなやかなで獰猛なる獣…。





鋭く斜に上がった真っ黒な瞳。

黒の短髪に前髪の一部は青メッシュ。

スッと通った鼻に薄い唇。



背は高い…180㎝はある?そして服の上からでもわかる、引き締まって鍛えられた身体。



隙のない仕草は、まるで獲物を狙ってるみたいだ…。



こんな人初めて見る……。




「あっ!!」



「!?え?おっ?!ぶぁっっ?!」




ポケッと見惚れてたら、その人は声をあげて鋭く斜に上がった瞳を大きく見開いた。



そのとたん、ボフッと抱きしめられる!




なんだーー!?

何が起こったーー!?

てか、さっきぶつけた鼻を再び強打!!

あたしの鼻…。

きっと潰れたな…。




でもなくてー!!

おっ!?

この人もまさかの

ロリ…




「暴れるな、鼻血だ」




パニクって体をはなそうとするあたしの耳元で鼓膜を震わす低い声が囁いた。




鼻血!?

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