第5話

「う"う"、あっつ…!!」



列車から降りれば、ムワッと吹き付けてくる熱風。



列車の中の涼しさに慣れた体にコレはキツい。



ついに来た。



今日から、あたしもこの街の住人だ。




初っぱなから迷惑をかけたくなくて、迎えは断った。






ホームに降りたのは、あたしだけ…。




ザッ!



じゃなかった。



居た。




暑さとは違う汗が流れる。




いやいや落ち着け!!

あの男とは限らな……。



あたしは一目散で改札口へと急いだ。




あっかーーーんっっ!!!!あの男も降りた…(汗)



いやいや、まさかあたしを追って降りたわけじゃないっしょ!!




あの男もきっと、この街の人、もしくは仕事で用事があるんだ!!




うん。きっと、そうだ!!



自分に言い聞かせる……ものの怖いことにかわりない。




駅から出ると、さすが夏休み。

人で駅前は、ごったがえしていた。




サラリーマン、子供連れの家族、友達同士。

人、人、人。




この人混みに紛れれば、あの男ももしあたしをおっているんだとしても諦めるだろう…。




と、気を抜いたのがいけなかった。

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