第2話

夏休みでも比較的に空いてる列車の中で、あたしはこれでもかっというほど眉間に皺を寄せる。




笑う門には福来る。

それを実践しようと夏休みの目標にしてみたけど、早くも挫折しそうだった。




この状況では無理!!

この状況で笑える人が居るなら、ぜひとも会いたいものだ。




座ることなく扉の前に立っていたあたしは扉に額を押し付けた。




ゴンッッ!!!!




予想外に大きな音がして。乗客達が何事かと見てくる。




めり込むように、一層扉に顔を押し付けて、それを無視する。




けっして、恥ずかしかったわけではない!



大事なことなので、もう一度!!



恥ずかしかったわけじゃないんだからね///




……………………撃沈。



扉に反射して写る自分。

眉間の皺はなくなったけど、額と頬が赤くなってる。



痛くもないし…恥ずかしくて赤くなってるわけでもない……けっして。




流れる景色。

10分前の自分はワクワクしながら、その景色を見てた。

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