曖昧エージェント/劇場版 俺に狙われたら、たぶん助からないかもしれない。かわいそう。

之雪

第1話 アレなエージェントの日常

 いきなりバトルだ! 敵は何人かいて、強い。

 俺は刀で応戦、ガンガン、キンキンと敵のアトミック弾を弾きまくり!

 しかし、いくら俺でも何人かいる強い敵には勝てないかもしれなかった。


「くっ、ならばアレしかない!」


 俺はカプセルを放り投げ、助っ人を呼んだ。

 出てきたのは田中さん。元殺人鬼で、今は更生してコンビニ店長をやっている。リストラが憎い。


「頼んだぜ、田中さん!」


 田中さんはモップを振り回して大暴れ。何人かの敵のうち何人かを倒した。

 だが、それまでだった。敵が投げたナイフが身体中に突き刺さり、田中さんは死んだ。


「もっとがんばれよ田中さん! だがサンキュー!」


 俺は田中さんを盾にしたので無傷だった。ポン刀を投げて敵の何人かを串刺しに。

 さらに音速の拳を放つ。一秒間に何発か打てるので何人かに当った。当たった敵は死んだ。

 残った何人かの敵が走って逃げたので、俺は走らず、銃を抜いた。当然ワルサーP38だ。

 ワルサーは何発かしか撃てないので、何人かに当った。敵はみんな死んだらしい。


「片付いたぜ。危なかった、ふう。あと田中さんサンキュー」


 俺は学校へ行く途中だったので行った。その後帰った。任務完了。



 俺は高校生だが凄腕のアレでもある。もちろん何らかの組織に属しているかもしれなかった。

 悪人やよくない組織のメンバーがよく来る。だから倒す。それだけだ。

 倒すとどこかからお金が出る。だから俺はリッチだ。しかし武器とかにお金がかかる。赤字になる事もあるようだ。


「ハーイ、元気ですかー?」


 金髪の謎の女、キャス子が声を掛けてきた。

 緩やかにウェーブしたブロンドをツインテールにしていて、眼鏡を掛けた美人だ。

 国籍不明で年齢不詳、外人っぽい。でも日本語ペラペラ。年上の大人の女に見えるが、ミニスカセーラー服を着ている。

 キャス子は美人で、おっぱいが大きい。いい事だ。


「よくない組織があんたを殺すって言ってました! 賞金は一万ドル!」


 一万ドルか、大金だな。でも安すぎる。

 キャス子はニコッと微笑み、斧らしきものを振り上げて飛び掛かってきた。


「賞金が欲しいのです! 私のために死んでください!」


 自分の欲望に正直すぎる女だ。そういうのは嫌いじゃないが、今は嫌いだ。俺が死ぬから。

 ギリギリのところで斧をかわし、キャス子の右か左かどっちかの腕を取り、関節を極めた気がした。


「痛い痛い! いっつ、ジョークジョーク! 私があんたを殺すわけねーでしょう! アハハハ!」


 キャス子は関節を極められたかもしれない痛みに涙を流し、笑って誤魔化していた。

 恐ろしい女だ。だが、許そう。おっぱいが大きいし、たまに助けてくれるからな。


「あ、あのう。許してくれるのならそろそろ放してくれませんか?」

「少しは反省しろ。次は腕を折るぞ」

「い、痛い痛い! は、反省してますから許してえ! ひいいいいいい!」


 しかし、よくない組織め。どの組織の事なのか分からないが、この俺に賞金を懸けるとはひどい奴らだ。

 組織を潰そう、そして賞金もいただこう。

 俺は夕陽に向かって誓ったかもしれなかった。

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