第3話

テクノ刑事の登場


加藤彪馬が追い詰める中、事件はさらに複雑さを増していった。捜査が進むにつれ、彼は新たな謎に直面する。それは、最近の犯行に使われていた手口や証拠が、従来の捜査方法では追いきれないものであったからだ。新しい時代の波に乗り遅れまいとする加藤は、かつてのアナログな捜査方法に限界を感じ始める。


その頃、東武練馬署に新たな刑事が転任してくる。その名は「テクノ刑事」、本名は田村涼。テクノ刑事は、最新のテクノロジーとコンピューターを駆使して捜査を行う敏腕刑事で、そのスタイルから警察内部でも一部の人々に「未来の刑事」として注目されていた。田村は、IT技術に精通しており、ネットワークやデジタル証拠を駆使した捜査を得意としていたが、その一方で、古い体質の刑事たちからはあまり理解されていなかった。


加藤は最初、テクノ刑事のやり方に懐疑的だった。従来の手法に頼ることに慣れていた彼には、田村のデジタル捜査がどうしても馴染まなかった。しかし、次第に田村の実力とその捜査技術に驚かされることとなる。


テクノ刑事の才能


事件が進行する中、加藤は新たな証拠を手に入れるために、再び新宿と東武練馬を行き来していた。そのとき、田村刑事が突如として加藤に声をかけてきた。


「加藤さん、今の状況なら、犯人がどういう方法で情報を隠しているかを特定できるかもしれません」


加藤は驚きの表情を浮かべた。「君、まさか電子データに関係する部分でも突き止めたのか?」


「はい。最近、犯行に使われた証拠の一部がネットワーク経由で流れている形跡があるんです」と、田村は言った。「おそらく、犯人はコンピューターやスマートフォンを利用して証拠を隠している。これを追うことで、あとは手がかりが見つかるかもしれません」


加藤は、田村の言葉に一瞬躊躇するが、すぐにその方法に賭けることにした。もはや、アナログな捜査方法だけでは限界が来ていた。テクノ刑事の力を借りるしかなかった。


新たな手がかりとデジタル戦争


田村は、犯人が使用していると考えられる一部のデバイスにアクセスし、捜査を始めた。彼の得意とするハッキングや、データの復元技術が次第に明らかにする新たな手がかり。それは、事件に関与する凶悪犯がネット上で取引をしていた痕跡であり、さらにその取引が「DJ刑事」の殉職に関わる一連の情報漏洩事件と繋がっていたことが判明する。


加藤は、田村の技術がなければ絶対に見つからなかったであろうこの情報に驚愕し、さらに彼が指摘した「犯人の動機」について考え始める。実は、DJ刑事が命を落とした事件の裏には、警察内部の情報流出が絡んでいた。そして、その情報を流していたのが、東武練馬署内の一部の警官である可能性が浮かび上がった。


小早川課長の陰謀とデジタル証拠


加藤は、事件の真相を追い詰める中で、ついに小早川課長が犯人を保護していたという事実を掴む。それは、彼が警察内部の腐敗を隠蔽するために、いくつかの重要な証拠を意図的に隠していたためであった。


テクノ刑事の技術が、加藤にとっての大きな助けとなった。田村の手によって、隠蔽されたデジタル証拠が次々に明らかになり、加藤はついに小早川課長の関与を証明する証拠を掴んだ。しかし、すべての証拠を明らかにするためには、加藤自身の命を賭けなければならない。


加藤とテクノ刑事は、協力して警察内の腐敗を暴こうとするが、その過程で加藤は再び命を狙われることとなる。小早川課長は、最早自らの立場を守るためには手段を選ばず、加藤を追い詰めていく。


真相に迫る加藤とテクノ刑事


加藤は、最後の決戦を迎えようとしていた。テクノ刑事とともに集めた証拠を手に、加藤はついに東武練馬署内で開かれる秘密の会議に乗り込む。その会議の場には、小早川課長をはじめ、警察内部の汚職に関わる全員が集まっていた。


加藤とテクノ刑事は、証拠を一気に公開することで、警察内の腐敗を暴露しようとする。しかし、真実が暴かれた瞬間、小早川課長は命をかけて反撃を試みる。加藤は、彼の冷徹な策略に立ち向かい、ついに平成という時代の幕開けを迎えるにあたって、警察の腐敗に一石を投じる。


エンディング


加藤彪馬は、新しい時代が開けようとしている中で、過去のしがらみと向き合い、全てを暴き出す。しかし、その代償は大きく、彼の心に深い傷を残すことになる。


テクノ刑事、田村涼は、加藤と共に戦ったことを誇りに思いながらも、新たな時代の警察として、次のステージへと進んでいくのだった。


昭和から平成へと移り変わるその瞬間、加藤とテクノ刑事は、それぞれの方法で時代の変化を迎え、共に新しい未来へと歩みを進めるのであった。


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