第2話

1989年の東京。昭和から平成に切り替わるその年、街は新しい時代の風を感じながらも、いまだに昔ながらのルールが支配していた。そんな中、東武練馬署は他の地域と比べて治安が良く、穏やかな日々が続いていた。しかし、その平穏も、新たに着任した小早川課長によって破られることとなる。


小早川課長とその冷徹な支配


小早川課長は、外見こそ冷徹で堅物な印象を与えるが、その内面には恐ろしい冷酷さを秘めていた。部下を「駒」として扱い、上司としての威厳を誇示し、成果を最優先する。彼の指示に従わなければ即座に処分されるという恐怖の支配が、署内の士気を削いでいった。刑事たちは、彼の言葉に疑念を抱きつつも、その支配から逃れることはできなかった。


山村刑事の殉職と加藤の誇り


一方、加藤彪馬刑事はかつて東武練馬署に勤務していたが、篁課長の辞職を受けて七曲署に異動していた。そこで彼は「DJ刑事」の殉職事件に直面する。この事件は加藤にとって深い衝撃を与えた。かつて部下であったDJ刑事が命を落としたその背景には、組織の暗部と、冷徹な指示を出し続けた上層部の存在があった。加藤は、自身の誇りと刑事としての責任感から、事件の真相を追い続ける決意を固める。


東武練馬署での大事件と小早川課長の判断ミス


1989年初頭、東武練馬署では重大な事件が発生する。小早川課長の判断ミスが捜査を遅らせ、その結果、無辜の市民が犠牲となる大惨事が起こった。事件の背後には、かつて殉職した山村刑事が追っていた凶悪犯が潜んでいた。山村刑事はその命を賭けてまで犯人を追い詰めていたが、結局未解決のまま命を落とした。


この事件は、加藤にとって単なる過去の遺物ではなかった。山村刑事が追い詰めた犯人が再び姿を現し、無惨な犠牲を生んでいたからだ。加藤は、東武練馬署で起きた事件と、山村刑事の未解決事件を結びつけて捜査を開始する。


加藤の反撃と小早川課長の隠蔽工作


加藤は、東武練馬署内での不正や小早川課長の隠蔽工作を突き止めると同時に、山村刑事が追いかけていた凶悪犯の手がかりを追い続けた。加藤は、新宿から東武練馬のエリアを行き来しながら、真相を探し求める。小早川課長が冷徹に部下を支配し、捜査の遅れを引き起こしていたことが次第に明らかになっていく。


加藤の捜査は周囲に危険をもたらし、彼自身も多くの犠牲を払う覚悟で真実を追い求める。しかし、その過程で、加藤の周囲にも裏切り者が現れ、かつての仲間たちが次々に変わり果てていく。


新宿と東武練馬の二つのエリアを結ぶ事件


事件の舞台は、新宿と東武練馬という、東京の中でも異なる顔を持つエリアを横断する。新宿の賑やかな街並みの裏には、暗黒の世界が広がり、その片鱗が加藤の捜査に次々と明るみに出ていく。東武練馬の平穏な町並みが一転し、無惨な事件の舞台となる中、加藤は自らの命を賭けて、真実を暴こうとする。


加藤の決意と誇り、そして小早川課長の冷徹な支配の間で繰り広げられる激しい戦いは、次第に東武練馬署の暗部を明らかにしていく。加藤が追う真相の先に待っているのは、暴力と裏切り、そして許されざる罪の真実だった。


結末へと向かう危険な道


加藤は真実を掴むためにどこまで突き進むのか、そして小早川課長はその冷徹な支配の中でどこまで暴走するのか。昭和から平成への激動の時代、東京の街並みが変わりゆく中で、加藤と小早川の対立は避けられないものとなる。そしてその先に待ち受けるのは、彼らそれぞれが払うべき「代償」だった。


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