日々テスト

黒ずきん

第1話 テストが来てしまった。

おれにもついにこのときが来てしまった…。

頼む、まだ来ないで。お願いだから。まじで。ほんとに…!


「では、次の授業のときにりんごの皮むきテストを行います。来週の月曜なので練習してきてくださいね」


家庭科の実技テストきちゃったーーーーーーー!!!






…………いやだああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

必死に「来ないで」って祈ってたのにーーー!神さまああああああああ……、おれを見捨てたのですかあああああああああ!!




盛大に嘆いているが、それには訳がある。一度も包丁を使ったことがないのだ。

今まで家庭科の実技テストはなかったわけじゃない。だが、ことごとく中止されてきた。



最初は小学5年生。自然教室のときの野外炊飯で食材を切る仕事があったが、キャンプファイヤー用の薪を切る方に立候補して事なきを得た。


次は中学1年生。調理実習まで残り5日となったとき、クラスでインフルエンザが流行して中止になった。


その次は中学2年生。運悪く調理実習が行われたが、具材を切るのは他の班員に任せて材料をこねたり焼いたりする方にまわった。


他にも危なかったときはあったが、そのたびに中止になり、おれは奇跡的に包丁を使わずに済んだのだ。だが、今回は逃げれないらしい……。奇跡は起こらないのだろうか。




今日は水曜日。まだ時間はある。今から練習すればきっと……!








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