第10話

「ただいまああああ、レリアアアアア。」


(噂をすれば…父さんが帰ってきた。ね…子供の前でこれなんだ。母さんを困らせると後が大変なんだよ。)

ベインは小声でメルに言う。

「お帰りなさい、あなた、今日はベインがお客さんを連れてきたのよ♪

(だからちょっと落ち着いてもらえないかしら)」

そう言って母さんは近づいてくる父さんの顔を手で押しのけた。


父さんは少し拗ねたと思いきや気を取り直したのか

「おおお、お客さんがいるのか♪ベインまさかもう結婚したい相手が出来たのか?」


父さんはにやにやしながら話す。


「父さん!メル。ごめんよ…。父さん、この子はメル。森の奥で薪集めしてる時に色々あってもう暗くなるから連れてきたんだ。」


メルはニコッと父さんに向かって軽く頭を下げた。


父さんが騒がしいからパールが目を覚ましたのか、メルのフードからパールが眠たそうに頭に上る。



「わあああ、なにその可愛いの!」

クトがメルの頭に乗ったパールに近づくとパールはびっくりしたのか尻尾をぴんと伸ばした。


「ほお。森の奥で。女の子がそんな時間に森の奥にいたら危険じゃないか…ってそこにいるのは…」


父さんはキッチンからクトとメルのいるソファへ向かいメルの頭の上を見て驚いた。

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