第8話
急に家に行ってもいいのかしら…」
メルはパールをフードの中に入れ手伝いながらベインに聞いた。
「うんうん、問題ないよ。母さんも父さんもメルのことお客さんだーって大喜びだと思うよ」
「そう、仲のいい家族なのね」
メルは微笑む
「うん。仲のいいほうだと思う。メルは?女の子が旅に出て親御さんは心配してるんじゃない?」家に向かいながらベインは聞く。
「うーん。うちはお母さんが亡くなってからはあまり会話がないから自由かも?」
「お母さんが…ごめん何も知らないのに」
「ん?何も気にしてないけど。人は不死身じゃないんだから。ベインはこんな時間にここに薪を取りに来ていたの?」
「うん。日中は父さんがやってる町の何でも屋で働いてるんだ。父さんか僕、帰りが早いほうが行くんだ。父さんがこの自然が好きでさ、僕が小さいころにこんな町はずれに家を建てちゃったんだよ。今は僕もこの生活が気に入ってるけどね。小さい頃は学校に通うのも大変だったよ(笑)」
「ふふふ、楽しそうな家族なのね。」
「うん、あ。あれが家だよ。」
「…えええ?」
「ん?」
メルは驚いて目が点になり深呼吸をして話し出した。
「失礼だけど…町はずれの森の中にポツンと家を建てたって聞くともう少し小屋に近いような家を想像してたわ…」
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