「おはようございます。今日からまた宜しくお願いします」

伊庭が絵里香の自宅マンションにやって来たのは、衝撃の日から1週間後だった。

絵里香はフローリングの床に正座した。

「伊庭さん、私……なんて言ったらいいのか。本当にごめんなさい！……ごめんなさい…… 」

絵里香は床に頭を擦り付けて、そのまま泣き崩れてしまった。

伊庭は絵里香の前に屈み込んだ。

「絵里香のせいじゃありませんよ」

「でも……私が酔い潰れて、伊庭さんを呼び出したりしなければ！私のせいだわ……！」

絵里香はボロ泣きしている。

伊庭は黙って首を振った。

「さあ、顔を洗って来て下さい。ファンが待っています」

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