第22話

「伊庭さんの婚約者が亡くなった?」

絵里香の声に皸が入った。

「それ一体どう言う事?」

伊庭の代わりに来たマネージャーの谷口から絵里香は話を聞いていた。

「夜道を一人で帰っていた所を襲われ、衝撃的に川に飛び込んで自殺したらしいです。そう言う事情で伊庭さんはしばらく来れません」

「それって昨夜だよね…… 」

絵里香は茫然としている。

「はい」

「いやあー!」

絵里香は頭を抱えて、その場に座り込んでしまった。

私のせいだ!

私が酔い潰れて、伊庭さんを呼び出したりしなければ、恭子さんは死なずにすんだのだ。

私が酔い潰れたりしなければ!

私、伊庭さんになんて謝ればいいの⁈

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る