第2話

今日は生憎の雨ーーーーーーーー






いつもは自転車でバイト先に行くのに雨のせいで電車で行かないといけないと但葉はタメ息をついていた。








ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・




携帯を使う学生


パソコンをいじる会社員


楽しそうに話す女子高生






ーーーーーーーー・・・・・


その他諸々の人間が視界に入った。








『次は~○○~○○~』


次の駅に止まり、乗車と降車で人が次々に入れ替わっている。




『発車しまーす』




ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・






但葉が電車で通わない理由はこの人の多さーーーーーーーー






ーーーーーーーー・・・それと











「お前サッキから何見てんだよ!!」


二、三人の不良が気弱そうな人に絡んでいた。






ザワザワザワーーーーーーーー


「・・・・・・・」


「お前サッキから何ガン垂れてんだよ!!」


「・・・別に・・・そんなつもりはーーーーーーーー」


「ちょっと来いよ!!」


不良は気弱そうな人の胸ぐらを掴んだ。











「それ位にしとけば?」


あまりに横暴な不良達に痺れを切らした但葉は声をかけた。


「はぁ!?部外者は黙ってろよ!!」


「アンタ達さサッキから見てたけど結構ヒドイって」


但葉は笑いながら胸ぐらを掴んでいる不良の腕を掴んだ。


「テメー何のつもりだ?」


「こんな気弱そうな人に絡んじゃダメだろ?」






「痛てぇっ!!?」


但葉が腕を掴むと男は気弱そうな人から手を離した。



「テメーッ!!」


男は怒りながら但葉に近づいてくる。


但葉は無言で男の襟元を掴んで壁のギリギリに押し付けた。


「アンタ達はコレが何て書いてるか読めるか?」


「はっ?」







『車内では周りの人の迷惑になりますので静かに』




「読めるか読めないか聞いてんだけどーーーーーーーーそれとも空手三段の俺が相手しようか?」


「・・・よ、読めます」


但葉の威圧感にサッキまで意気がっていた不良達は肩を落としていた。


「じゃあ誰が悪いか分かるよな?」


「・・・は、はい」


不良達はそう言って次の駅で降りていった。












「ちょっと君!?」


「・・・ハイ」


「大丈夫か?」


「・・・ハイ」


「なら良いや」


但葉は次の駅で降りていった。

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