破壊神様の成長作戦で~、死神君がまさかのただいま…!
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 破壊神様は、怒りっぽくてユーウツ。部下たちを成長させようっていう作戦は、上手くいきすぎてさようなら~
「ちぇっ。冷凍庫の当たり付きアイスをキッチンから盗んだら怒られて、しかも、あの結果。どういうことなんだ!」
破壊神様はお怒り。
「また外れって、どういうことだ!」
ずっと、お怒り。
「このアイスって、成長がないよな…」
怒りの内容は、面白いけど。
部下たちは、こっそりつぶやく。
「こんな上司で、俺たちは成長できるのか?」
そのころ、壊神様が破壊神城の窓の外を見ると、モンスターたちが空を舞っているところだった。
「グギャ~!」
ドラゴンも飛び回る。
「グオオ…!」
地上では、巨人のミノタウルスやゴーレムたちも動き回っていた様子。
海では、 3つ目ダイオウイカなどの深海モンスターが、冒険者たちの命をねらって動きまわっていただろう。
「あのモンスターたちは、自由に成長しているな。そうだ!」
「何でしょう、破壊神様?」
身体をくねくねさせて答える、デスナイト。
「お前たちも自由にしてやるから、成長してこい!」
「…は?」
「あのアイスの棒には、当たりはなかったのだ!」
「また、そういうことを…」
「破壊神様?」
「何だ」
「自由になれると、成長できるのですか?」
「きっとな」
破壊神様が、ドでかい鉄球を担いで叫ぶ。
「あれ?死神君はいないのか?俺の魔法で、自由の身にしてやったが…。バカばっか!バカちんだよ!」
ホント、怒りっぽい上司だな。
破壊神様が、自由にする魔法を唱えたら…。
中には、自由な鳥になってどこかに飛んでいき会えなくなってしまったお気に入り部下も出たらしい。
「死神君は、いないのか…」
へこむ、破壊神様。
が、話はこれで終わらない。
「あ、やった!」
はるか上空に、飛んで戻ってきた部下を発見!
「あれは、いなくなっていたと思っていた死神君だよな?戻ってきた、戻ってきたぞ!俺は、きらわれていたわけじゃなかった!」
涙の再会。
鳥となった死神くんが、地上に降りてきて…。
破壊神様は、腰を抜かすことになる。
涙、涙。
「うっそ」
鳥になった死神くんの体長は、30メートル以上もあったのだ。
鳥って、空を飛んでいるときは大きく見えないんだよね。
「ただいま~、破壊神様!」
「…」
「ただいま!」
「や、やめろー!」
おやおや。
破壊神様も、不自由さを理解できたようです。
破壊神様の成長作戦で~、死神君がまさかのただいま…! 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます