第2話これって第2わ・・・ちょっとくどいか
さあやってまいりました、素晴らしき異世界!
見てくださいこの圧巻の光景!ケルト調の音楽が流れてきそうな街並み!っていうかもう流しちゃっていいんじゃないですか?アニメ化したらもう流せちゃうからな、ほら見て下さいこの大勢の人々、獣人エルフドワーフ、あほら見て見て!竜人も居ます!・・・ていうか、よく考えたらアニメ化するかって俺が面白い主人公になれるかに懸かってるのか。うわてか、この話が人気になるかって俺の手にかかってんのか。え、普通に重くね?いやめっちゃきついけど。まあ別に・・・いやでもやっぱ折角なら大人気シリーズの主人公になりたいよなぁ。まあやれるだけのことはするか。
あ、作者?まあ作者のヤローは俺に情景描写を丸投げしてきたわけだけど、その分とんでもなく壮大で美しい世界観を考えてくれるはずだから。うわ楽しみー。
えー、ではまず、今俺はいきなりの異世界転移に呆然とし、どうにか声を絞り出して「ここは・・・どこ?」と言ったところです。我ながら結構リアリティのある言い方だったなぁ。表情もどこか虚ろって感じで。え、くしゃみ?いやまあねぇハハこんな物語開始一話目からそんな緊張感バチバチで肩ひじ張ってやってもダークファンタジーか!って感じですからねぇハハ。
というわけで、俺の物語がここから始まるっ!
安心して見てくれよな。俺ってばちゃんとテンプレ抑えていくから。やっぱりまずは、冒険者っギルドォ!作者は執筆ド素人だから、冒険者ギルドも無いような異世界は書けn※初めての異世界でテンションが上がるのは分かりますが、少し落ち着いてください。ちゃんとこの世界がどういう設て・・・どういう世界なのかを確かめてください。読者への配慮が足りて「←いやまてなにこれ。なにこれ。何か普通に文章の中に介入してきたんだけど。え、こんなことしていいの。こんな無理矢理な・・・てかじゃあ1話目の紙方式は何だったの。俺が提案したけどこういう演出も悪くないなって感じだったのにどう考えても※で語りだしていいはずがないだろ。そういえばあらす・・・じ・・・」
小林がふと顔を上げると、遠巻きにこちらを見ていた通行人たちは一斉に目を逸らした。彼らはまるで隠れるように小林の視界を通り過ぎて行く。
視線を左にずらすと、今度はそこにいる人々がばっと顔を背ける。
彼の周りを行き交っていた筈の列は、十数秒という僅かな時間を経て、いつの間にか彼を中心として湾曲していた。(作者渾身の描写)
・・・おい、こんなしょうもないことするために出てきたのかお前は。主人公の心の声を遮って。なあ、お前には言いたいこと聞きたいことが山程あるんだぞ。だけどな、お前がしゃしゃり出てきたら作品の雰囲気が崩れるんじゃねぇかって心配してどうにか飲み込んでたんだぞ俺は。なあ。お前がそうやって好き勝手でてくるんだったらこっちも好き勝手やるぞ?普通にここで悟り開いて無の境地にたどり着いたっていいんだぞ?そしたらこの作品は・・・が一生続くだけの4分33秒みたいな特殊なヤツになっちまうぞ?ちょっと4分33秒を卑下するような言い方になっちゃった。すいません。
とりあえずお前でてくんなよもう。俺ほんとにこの作品ちゃんとした異世界ファンタジーにしたいの。普通に話を進めたいの。なあ俺はいつまで転移したその場所で突っ立ってんだ?そろそろ冒険者ギルドに行かないと。町中転移で冒険者ギルドに行くのが三話目って多分遅いから。しらんけど。とにかく今日中、いや今話中に行くぞ!いいな!
ヒラ・・・ヒラ・・・。
『疲れた』
すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ・・・・・・
「テンテレテンテンテ」ブチッ
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