第2話
目覚めると机の上に見慣れぬノートがあった。
−どうせドッキリか何かだろう。
そう思いつつ、もし本物だったらと思わずにはいられない。
取り敢えず一旦寝よう...。
目を覚ますと、日差しが部屋の隅を照らしていた。昨夜見た「謎のノート」をぼんやりと思い出した。
机に目を向けると――そこにはまだ、例のノートが置かれている。
「......やっぱり、夢じゃないのか。」
半分寝ぼけた頭で、十郎はノートを手に取った。見た目は普通のノートだ。無地の表紙に黒い背表紙。大きさも中途半端で、特に高級感があるわけでもない。ただ、どこか手触りが妙に滑らかで、奇妙な感覚を覚えた。
ふと思い出し、スマホを手に取る。昨夜のメールを確認するためだ。
「書いたことが現実になるノート」などという話、冷静に考えればバカバカしい。しかし、届いていたメールはやはり存在していた。
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佐藤十郎様
おめでとうございます!
このノートはあなたの未来を切り開くための鍵です――。
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十郎は無言でスマホを置いた。どう反応していいのかわからない。
「書いたことが現実になるだと? そんな話、どうせ何かの冗談だろう。」
しかし、冗談だとわかっていても、好奇心が抑えられない。そもそも、誰がこんなノートを送ってきたのか。これを確かめる方法は一つしかない――実際に何かを書いてみることだ。
十郎は机に座り直し、ノートを開いた。中は白い無地のページが延々と続いている。いつも使っているシャープペンシルを手に取り、少し考えてからこう書き始めた。
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-明日の朝、目覚めると部屋に1000円札が一枚落ちている。-
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「......まあ、これくらいで十分だろ。」
ノートを閉じると、十郎は深くため息をつき、ベッドに戻った。
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