第2話佐藤と囲碁部
ということで、放課後、私は
「確か、社会科資料室でやってるんだよね?」
「そうそう。ってそれどこ?」
慣れない校舎に戸惑いつつ、私たちは活動場所に向かう。
「ってか何で囲碁?中学校の時やってたりしたの?」
「中学の時は卓球部。囲碁とかやったことないし。何するのかも知らん」
「じゃあ、昨日の勇気ある先輩の影響?」
「いえす。だって一人って可哀想じゃん。意外と面白いかもやし」
「おじいちゃんがしてるイメージしかないけど」
そんな会話をしていると、活動場所、社会科資料室の前まで来た。教室を窓越しにのぞいてみるが、誰もいなかった。
「場所間違えた?」
「あってるはずやけど」
「今日はやってないのか。せっかく来てあげたのに。朋子、明日もついてきてくれる?」
「いいけど」
ということで明日も来ることにした。
次の日の放課後。
「あれ?やってる?」
「やってないね。明日も来るか。とりあえず、代わりに違う部活見ていこうかな」
「吹部いこうよ。ついでに朱里も入っちゃえ」
「吹部も捨てがたいなぁ。迷うなぁ」
と言いながら行ってみたものの、私は部費と楽器の値段を聞いてやめることにした。
次の日の放課後。
「今日もやってなくね?」
「なんなん?いい加減、こっちも疲れてんだけど」
「ごめん!入部希望者?」
後ろから急に声をかけられた。振り返ると、男の先輩が立っていた。おそらく一人で囲碁部の宣伝をしていた先輩だろう。身長は私と同じくらい。細身だが、頼りになりそうな感じだった。ってかさっきの聞かれたか?まあいいや。気にしないでおこう。
「見学に来ました」
「そっか。ありがとう。ちょっと待ってて」
そういって先輩は急いで、カギを開け、教室の中に入る。壁に備え付けてあるロッカーの中から、二つ折に畳まれた板一枚と、木彫りの入れ物二つを取り出した。板には沢山線が入っており、将棋の板のようだった。木彫りの入れ物の中には、碁石がごろごろ入っていた。
「どうしよう。何を説明しよう」
先輩はそう言って顎に手を当てる。いや、今考えられても困りますよ。と思いつつ、私は、先輩が取り出したものを見る。いったいこれで何ができるというのか。
「とりあえずルール説明するか」
そういって先輩は沢山黒い線の入った板を広げ、慣れた手つきで碁石を取り出す。まずは白い碁石を線と線が交差する場所に置き、次にその周りを囲うように、三つ黒石を置いた。静かな教室に先輩の碁石を並べる音だけがこだます。
「このとき、黒にここに置かれたら、白は四方位囲まれるよね」
そういって先輩は黒石を置いて、一つの白石の周りを四つの黒石で囲う。
「こうなったら、白は取られる」
そういって先輩は白石をとる。黒石は、空白を囲うような形になる。なるほど、石はオセロと違って、線と線が交差する場所に置けるのか。んで、違う色の石を囲ったらとれるのか。
「じゃあルールもわかったことだし、ミニゲームをやってみよう!」
そういって先輩は、板の上にオセロの最初のように黒石と白石を交互に置いた。
急に言われてもと思いつつ、私はやってみることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます