第16話

「ねぇどこ行くのねぇ」

ずっと手を引っ張られてる。外まで連れてこられた。あれ靴履いてないしパジャマだ。この子も靴履いてない素足。白のワンピースがふわふわしてる。私たちどこに行くの

「お姉ちゃんどこ行くの」

右手が痛いなぁ。離してくれたらお家に帰りたい。どうやってきたか覚えてないんだよね

うわ急に止まらないでよ危ない。ずっと前だけ見てたその子は満面の笑みで

「ーー」

と呟いた

夢か。いや現実にあったことか。はぁいつもよりひどいな。誕生日が終わると悪夢は見なくなるはずなのに。いやまだ見てない。ただ散歩していただけだそうだろ

「もう着く顔色ひどいな大丈夫か」

声は優しいのに真剣な目。私は何も言えなかった

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