第9話

こんなだから悠一君と会った時からボケーっとしていた自覚はある。

喫茶店で飲み物を2つ注文してからずっと私のこと見ているのに気がつく。

「やったこっちみた」

私今日一日一度も悠一君と目を合わせてないのか。改めて見るとシンプルなTシャツに紺のジャケットにジーンズとラフな格好をしている。私は黄色のパーカーに黒のスカート。なんだか申し訳ないな。せっかく誘ってくれたのにずっと違うこと考えていたなんて。バレてるし。

「気にしなくていいよ俺が無理に誘ったようなもんだし」

その言い方って私がここに来たくなかったみたい。一緒にいて心ここに在らずだとそう思うのも無理はない気がする。

「ごめんなさい嫌な気持ちにさせて何かお詫びできるといいんだけど」

口を開きかけた悠一君を止めるように注文していた飲み物が2つ運ばれてきたのでそこで会話が終了した。

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