第一話〈無職と教室〉
俺は
高校生を先々週に卒業し、大学を目前にした現無職。
そんな俺は今、まだ懐かしいという感情もなく着席している。
どこにって?
もちろん、座席さ。机と椅子。つまりは学校。
そう此処は学校。一度卒業したはずの学校。
ここは理学部専用教室。
ああ、ただ漢字の読みは“ことわりがくぶ”だけどね。
座席数。計40席。
教室サイズは、高校と同じぐらい。
座るのは、俺を含めた37人の男女達。
身長。年齢。性別。国籍。全てがごちゃ混ぜにされた混沌。
教室は常に静かで、少しの息遣いさえも隙間風の様に小さいものだ。
そこに、沈黙を破るごとくに派手にドアを開ける者が来る。
淡くも少し燻んだような紫の髪。それは170は越えているだろう身長の、半分。
腰のあたりまで伸びる超ロングヘア。縁のない眼鏡をかけた凛々しくもどこか幼さを覚える顔立ちは、片目を隠すほどの前髪と特徴的な白いワンポイントメッシュでほとんど表情が見えない。格好は、ダボっとしたラインの見えない黒いパンツとシャツ。その上から白衣を羽織っている。
女は教室内で最も目立つ場所。教卓にて言う。
「私は、縁。
「早速だが、お前達に“訊く”。」
「お前達は死んだ事はあるか?」
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