第20話

「んっはぁっはぁっ」


数分後離れた唇とともに身体の力が抜けて

カクンッと膝が曲がった私の腕を


「おっと」


細い腕で掴んで持ち上げるセナ。



「そんな目で見られたら俺、興奮しちゃうよ」


「...っ」


私は今一体どんな目をしているのかな。


セナの言葉一言一言で私の身体はその都度

熱を持つ。



そしてもう一度近づいてきたセナの顔に

反射的に目を閉じた私だけど


いつまで経っても唇の感触はない。



ゆっくりと目を開けるとセナは意地悪そうな顔

をしていてなんだかお預けをくらった気分。



「...ばか」


下を向いてそんな事しか言えない私。

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