第9話 ゲン先生は黒マントの男?

400年前にぶどうに魔法をかけて私を眠らせた、黒マントの男がこの世界にいる。

そしてこの江戸橋高校にいる。

そう妖精ベルが言った。

エドの土地の力で生徒か?先生か?

わからない。

妖精族の力も黒マントの男、悪魔族系の力にも制限がかかってしまっている。

見つけるには時間がかかると思っていたが。

しかし、たぶん見つけたかも。

王族、女王様の勘は当たるのよ。

ゲン先生に、目の前のレオ。

そして生徒会長のシュン。この兄弟には、

何かある。

脳内で考えを巡らせ、

「ねえアリア、顔がこわいよ。

せっかくの可愛い顔が台無しよ。」

「そう?」しまった。私の悪い癖だ。

あの執務室の時のようにきっとひどい顔になってたんだろうな。

「ミク。ありがとう、注意してくれて。

私って時々、考えごとすると、

可愛くない顔になるみたで。」

ミクが「そうね。女子は顔、大事だよ。」

レオも前の席から振り返り。

「そうそう。女子は可愛い顔が一番。」

ミクがレオに絡む。

「レオが言うとなんか、ひっかかるんだけど。」

ゲン先生が「そこ静かに。レオ、ミク!」

「ごめんなさい。」2人が謝る。

ミクが小声で「でも、レオずるくない?

兄弟、お兄様が担任なんて。」

気づくと目の前にゲン先生が立っている。

次の瞬間「ピーピー」機械音。

これ前にも「?」

ゲン先生は黙って教壇に戻った。

今の?前にもあった。何それ。頭の中で言葉がグルグル回る。

アリュースのポケットにあった四角小さな機械。

また無意識に私の口から「着信音?」

そうだ思い出した。携帯。

私の中の私の記憶?が巡り出す。

2030年のエドに今、私は存在する。

妖精ベルやアリュースが言ったように

私は、時の住人だ。

時の住人はどの時代にも突然出現して存在する。

そして調整力でその時代にあたかも、ずーっと存在していたかのように、存在する。

『そうだ。その通りだ。アリア。

君は以外と頭が良さそうだ。』

私はゆっくりと頭を上げて前を見た。

教壇のゲン先生の声だ。

視線がいたい。私は急いで目をそらす。

「ねえ、ミク携帯って知ってる?」

「携帯ね。古い時代のツールね。

まだ使えるようよ。

おばあさま達は好きなようよ。

形が四角で音も鳴るし、物体持ってますってとこが、かっこ悪いのよね。2020年ごろまでは、主流で今はこれ?」

「今の連絡手段?」

「指先を宙でアクセス。透明のキーボードが出るの。

ほら宙に数字とアルファベットが浮いているでしょう。

白い光が光る。エアー端末。通称エアタンよ。」

ミクは自分のエアタンを見せてくれた。

ゲン先生の声「ミク、授業中はエアタンは使用禁止だ。」

「はーい。」ミクは宙に浮いた透明のキーボードの電源を切る。空中に浮いたエアタンの端末が消える。

私は思わず。「それって便利ね。持ち運びいらないし。なくすこともないしね。」

「そう。その通り。便利なの。どうしておばあさま達は機械の端末携帯を持ちたがるのか、

わからない。エアタンに乗り換えたらいいのにっていつも思うの。」

「そうなんだ。」

もしかすると、私はこの時代には、はじめて来たようだ。そして少し前の10年から20年前の一度存在していた気がする。

時の住人の過去データー。私の中のデータがそう言っている。

でもまずは黒マントの男を探し出さないといけない。たぶんゲン先生が何かを知っている。

『そうだ。僕はなんでも知っている。アリア、君のこともよく知っている。』

『ゲン先生、脳内干渉はやめてください。』

『相変わらず、アリア、君は厳しいね。』

『どういうことですか?』

『僕は君をよく知っている。20年前のエドで僕らは恋人同士だった。種族は違うけどね。

君は悪魔ガーゴイル帝国の姫として20年前のエドで僕と出会った。

僕も悪魔族系だが君の種族と少し違う。

僕の家系はバンパイア。吸血鬼の一族だ。

君達と同じ不死の種属さ。そうそう。

20年前に僕と君との結婚の邪魔をした悪魔ガーゴイル帝国の君の付き人、2人がいたな。

彼らは元気かな?』

『私とゲン先生が結婚?恋人だった?ありえない。』

『そうか、そこの記憶は欠落しているんだな。』

『正直何も記憶がないから何も言えない。

でもゲン先生が言っている2人は、

たぶん、アリュースとザックのことね。彼らは元気よ。でも?』

『アリア、20年前の出来事を本当に忘れたのかい?まあ仕方ないな。

君たちは特別さ。妖精ベルが都合が悪くなると君達、悪魔ガーゴイル帝国の種族を時の住人として色んな年代、場所に転移させる。

僕に言わせると妖精ベルこそ、悪魔じゃないかと思うくらいだ。』

突然、窓から黒猫が教室に入って来た。

「ニャーオ」

生徒達が騒ぎ出す。

黒猫妖精ベルが『ゲン、久しぶりだな。アリアに嘘を吹き込むな。

アリアは完全に目覚めていない。それにゲンお前が黒マントの男なのか?』

『妖精ベルさん、ご冗談を。私は単なるバンパイア。吸血鬼でアリアの婚約者ですよ。

アリアを困らせることはしませんよ。それより黒マントの男とは?』

『今はわからない。まあ、いい。しばらくこの世界にいることになる。不本意だが学校内ではアリアを頼む。』

『もちろんです。彼女は大切な婚約者ですから。』

『ベル、ほんとなの?』『違う違うな。しかし、今はゲンは我々の味方だ。大丈夫だ。』

「ニャーオ」妖精ベルは」教室を出ていった。

次の瞬間、音が耳に入って来る。

どうやら時間が止まっていたみた。

前の席のレオが大きく振りむいて私に

「何か困ったことがあったら、僕に言ってね。僕がアリスを助けるよ。」

時間が動き出している。ミクが思いっきり、

ゴツン。「レオ、アリアはお嬢様なんだから。

口説かないで!」

「はい。はい。」笑いながらレオは前を見た。授業が静かにはじまる。


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