第10話

文化祭当日。


「…おはよう。その…昨日はどうなったんだ?」


「あぁ、心葉。おはよう。俺はお前を絶対に許さない」


「急にそんな事言われてもなぁ…」


「俺は、食われたんだ」


「…」


心葉が俺の首にある赤い跡をジロジロと見る。そうだ。それが証である。


「文字通り、パクッとな」


「えっ?性的に食われたのかと…」


「いや、そうされそうだったから、首に跡を付けるだけで危機を逃れた」


「…」


「だが、登校する途中、見られるんだ。今のお前みたいに、ジロジロとな」


「あっ、すまない。自然に見てしまうんだ」


「しかも、愛羅と登校してるから、そういう風に見られるんだ…」


「…まぁ、発言には気をつけろよ」


「いやいや、何をどう気をつければいいんだよ…」


「まぁ、色々だ」


「二人とも、おはよう」


「ひぇっ、」


「むっ、何その反応」


昨日食われたばかりの奴を恐れないわけないだろ


「はぁ、仲がいいのはいいことだが、程々にしろよ」


「わかってる」


「わかってるなら、止めてくれ」



そうして話しているうちに、授業が始まったので、各自席に着く。まぁ、席隣だから、あまり離れた感は無いのだけど。


「さぁ、文化祭まであと2週間を切りました。なので、文化祭のクラス活動は何をするか決めましょう」


「お化け屋敷ー!」

「メイドカフェー!」


「えっと…、お化け屋敷とメイドカフェは、資金と時間の問題で駄目だと…」


「はぁー!?ふざけんなよ!」

「俺たちはカワイイ愛羅さんのメイド姿が見たかったんだ!」

「それか一緒ににお化け屋敷を回りたかったんだ!」

「俺は幽霊姿の愛羅さんが見たかったんだ!」


…こいつら、バカだな。

てか、忘れてたけど、愛羅っていまだにモテてるんだな。


「あ、あのやりたいお気持ちは分かるのですが…、落ち着いてもらえないでしょうか…」


「落ち着いてられるか!」

「ふざけんなよ!」

「〇〇!」


おぉ、怖い怖い、そんな事言うなよ…。


???「お前達が遊んでないで金と時間ようしてたらよかったのに…」


おや?なんか、誰かの呟きが聞こえたぞ?


はぁ、仕方無い。

俺も、こういうバカ達のせいで大切なイベントが潰れるのは嫌だからな。


「なぁ、愛羅。耳貸してくれないか」


「えっ?何、そういうプレイが好み?」


…まぁ、無視するか


「(適当に、メイドカフェ嫌だーとか、お化け屋敷と嫌だーとか言ってくれ)」


「おおっ、これ結構クセになる」


「聞いてんのか?」


「ごめん。聞いてなかったからもう一回お願いしもいい?」


「だめに決まってるだろ」


「じゃあやったらやってくれる?」


「まぁ、聞いてたらな」


「よし、やる」


「えっ?本当に聞いてたのか?」


「ぁー私、男子から良くない目で見られるからお化け屋敷とか、メイドカフェとか嫌だなー(クソ棒読み)」


「お前それは不自然すぎるだろ…」



「まぁ、俺は心が広いからな。許してやる」

「まぁ、来年もあるからな」

「そうそう。別に良くない目で見るわけ無いからな」


どうやら、効果テキメンらしい。


「では、何にしましょう?」


どうやら次の問題にぶつかったらしい。


「何にするって…。何かあんのか?」

「いや何も」

「出した奴は出したからなー」


そう、こういうのが思いつかないのだ。


「なぁ、そういえば、お前いつしか麻雀持ってきてなかった?」

「それだ!」

「麻雀?それだとルールとか分からないだろうから…」

「じゃあ!他の賭け事だとかも入れようぜ!」

「さんせー」


「えっと、まだ皆さんに聞いていないので…。どうですか?他にはありますか?」


「「「…」」」


「で、では、この方向で行きたいと思います」


「よし!じゃあ、計画立てようぜ!」


「僕も混ぜてほしいな」


「おっ!出たなイケメン!」


「はははっ、そう言ってもらえてうれしいよ。僕からは、麻雀とかの持ち込みを何とかするから、皆は他の事してて」


「ああ、わかったぜイケメン!」



話がトントン拍子に進んでいくなぁ…。


「…」


女子達も嫌な目で見てるし…。まぁ、嫌なら意見出せとは思う。ま、俺も言えたりしてないけどな。


「はぁ、やっぱりばかどもは…」


俺の隣で心葉が呆れていた。

俺も呆れる。

そして、反対隣を見る。


「まーじゃん?」


当然の反応をしていた。

んー、清楚かな?


「あっ、さっきの耳のやつやってね」


ムッツリでした。


「はぁ…」



そうして、このクラスは準備をした。

麻雀などの物を持ってきていいか確認しに行ったり、クラス皆でルールや得点の計算方法を覚えたりなどなど…。


そうして、訪れた


文化祭前日!


「よし!お前らぁ!行くぞぉ!」


と皆やる気たが、今日は前日である。


「暑い…」


「だな…」


何故かアイツらから熱気が来る。

酷いもんだ。


「それで、怪我したらどうするんだよ…」


「まぁ、いいんじゃない?私も楽しみだし」


「そうだな。明日は、一緒に回るだろ?」


「うん。楽しみ」


「そうか。それは良かった」



そして、ついに文化祭へ…!

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雨の日に傘を落としただけなのに…。 なゆお @askt

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