Ch.10 - ウロボロス
なぜいつも、被害者が兆候に気づかなかったと責められるのだろう?
なぜ被害者が、自分の暴行を防ぐための対処法を取らなかったと責められるのだろう?
本当に責められるべきは私じゃない。
それは私の暴行者だ。
ただそれだけのこと。人を暴行しないで。
もし暴行者が私に手を出さなかったなら、このことは起こらなかった。
もし暴行者が、人の体を尊敬していたなら、このことは起こらなかった。
もし暴行者が悪い人でなかったなら、このことは起こらなかった。
私はただ、愛されたかっただけの馬鹿で無邪気な少女だった。
でも、現実は、私はただ他の誰かの満足のために利用された子供だった。
今でも、私の中には深く憎しみが燃えている。
私を責めた人たちとは、もう関係を断ったんだ。
もしあなたが、私に非があると思ったのなら、あなたも問題の一部だ。
恥を知るべきだ。
「もう少し違う行動ができたはずだ」
「友達の言ったことを聞いたらよかったのに」
「もっと賢くなるべきだった」
なぜいつも、私が何をすべきだったのかの話になるの?
なぜ暴行者が何をすべきだったかは語られないの?
なぜいつも、被害者に何ができたかの話になるの?
もしあなたにこの意味が分からないのなら、あなたの無知さと共感力のなさがよく分かる。
自分の頭でちょっとでも理解しようとしないくせに。
問題は、被害者が何をすべきだったのかじゃない。
問題は、暴行者が、最初からそのことをしなければよかっただけ。
被害者が自分の行動を説明する必要など、あるわけがない。
私の言葉が消えたのは、この現実を決して無駄にしたくないからだ。
私は、二度と、被害者が自分のせいにされたり、物のように扱われたと言われるのは見たくない。
ミキは、兄の汚い行動に気づいていたようだ。
だから昔、私に注意してくれたのかもしれない。
私は、「ミキの両親は、兄のしたことを知るべきだ」と言った。
それで、ミキは両親にそれを伝えた。
でも、私はまだ子供で、自分の両親には言いたくなかった。
私は、まだその情報を含む準備ができていなかった。
でも、裁判でそれを証明することはできなかった。
それに、もし母が知ったら、必ず捜査を始めるだろうし。
それは私がもう一度あの苦しみを体験することを意味していた。
ミキの母親と私の母親は、以前一緒に旅行したことがあって、
お互いに面識があった。
私は、その戦いをすることが怖かった。
でも、それでも、大人の誰かはこのことを知るべきだと思った。
そこで、私はミキに、
「あなたの両親は知るべきだ」と伝えた。
そして、ミキは、両親に話した。
その後、私はミキに、両親の反応を書いた。
ミキの父は、兄と話すと言った。
そして、厳しい話をしたらしい。
でも、ミキの両親は、私の両親には何も伝えなかった。
私は、二十代になって初めて、
なぜあの時、ミキの両親は何もしなかったのかに気づいた。
彼らは、ミキの兄を守っていた。
なんか、本当に汚いやつだと思う。
自分の娘の友達を暴行した息子を守ったのだ。
絶対に許さない。
こんな親がこの世界にいるというのが、
本当に吐き出しそうなほど、気持ち悪い。
彼らは、自分の息子が、どのくらいひどく酷いやつかを、
知っていないのか?
私はあの時、何も言わなかったけど、
クズは私に、
自分の妹に対してした酷いことを打ち明けた。
クズは、自分の妹に対して痴漢程度ではなく、
ずっと前からやっていた。
そして、ミキの兄がそれを知ったら、
兄弟の中で激しく批判された。
私はミキに、彼の汚い行動を伝えた。
ミキは驚きとどった。
でも、どこかで彼女は、
兄がそういう人だと気づいてた気がする。
たぶん、今でもミキの両親はそれを知っているだろう。
それでも、彼らは、その息子を守り続ける。
あの事件から一年経った時、
私はミキの家に行った。
なぜその日、ミキの家にいたのかはよく覚えていない。
でも、たくさん遊んだ後、すぐ近くの公園でバレーボールをする予定だった。
ミキの部屋に入ったら、クズはそこにいて、
パソコンを使っていた。
その時の私は、
自分のトラウマと向き合えてなかった。
何もかもが、ただただ虚しかった。
ミキはトイレに立った。
私はクズと二人きりになった。
私は彼に聞きました。
「何をしているの?」
彼は、友達のプレゼンを手伝っていると言った。
「友達?
それは、高校の女の子?」
彼は急に黙った。
そして、しょぼしょぼした声で答えた。
「……うん。」
そうか。
また同じことを繰り返しているんだね。
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