幼馴染のアケミとショウジ。高校最後の夏期講習前にショウジからこう誘われる。
「ワニ捕まえに行かない?」
一見すると馬鹿げた提案のようでいて彼の話に乗った彼女は真剣な格好で現地に赴く。
現地と言っても多摩川である。本当にワニは存在するのだろうか。
アケミのショウジに対する焦燥感をぶつける様と彼女の将来への葛藤。
それらを塗り替えるような夏の青い匂いと河原の水の流れ。
二人の関係性がとても良く描かれています。
腐れ縁の幼馴染として恋人以上の存在には踏み込んでいない、でも馬鹿げたワニ探しにも付き合ってくれお弁当も作ってきてくれる。
受験を控えながらこういった事をする〝親友〟だと思います。
一夏の都会での冒険譚を見ているようで、閉じ込められた青春の淡い光の透明な箱を抱いた少年少女の心模様は読んでいて実に巧みなものと感じました。
この日だけは、自由で、ワニを探した二人。
ラストは……賛否両論分かれるかも知れません。