第7話 開発は途絶え、そして復活する
個人開発のゲームは、個人が他のことをやっているあいだは止まってしまう。特に1人開発のゲームは確実に止まってしまう。
多くの個人ゲーム開発は、さまざな理由で止まる。重要なのは「止めない」ことではない。「復活」する/させることだ。
問題は、復活したら「これまでやっていたことを、記憶喪失のように忘れてしまう」ことなのだが……。
いやいや、そんな簡単に忘れないだろうと思うかもしれない。だがしかし、忘れるのだ!
なぜならば「他のこと」をしている間は、その「他のこと」を真剣に考えているからだ。ちょっと前に開発していたゲームのことは、脳から完全に締め出すのだ。
その結果、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で目覚めた直後のリンクのように、過去の記憶がない状態になるのだ。
こうした時、グラフィックスはまだ記憶を取り戻しやすい。なぜならば、絵そのものがあるからだ。しかし、プログラムを思い出すのは困難だ。古代文字のような謎の記号の羅列があるだけだからだ。
こうした時、記憶を取り戻しやすいプログラムと、そうでないプログラムとがある。
取り戻しやすいのは、メインループがあり、ルートから全てたどれるプログラムだ。処理を順番に追っていくだけで全体を把握することができる。時間は掛かるかもしれないが、それほど大変なことではない。
取り戻しにくいのは、各部品がばらばらに作られ、緩い結合をしているプログラムだ。プログラムをたどるだけでは全体を把握できないことがある。各部品がどのように連動しているのかを把握していく必要がある。
「Unity」や「Godot」は、こうした仕組みの開発環境だ。
こうした「各部品がばらばらのプログラム」は、手分けをして複数人で開発するのに向いている。自分の職掌範囲だけを把握して、その中で適切な処理を書いていけばよいからだ。こうしたプログラムを一人で書いても、その効率化の恩恵は限定的だ。
なぜ、こんな話をしているのかというと、今日久し振りにSRPGの開発を再開したからだ。そしてプログラムを見て「何だこの謎の古文書は」と思ったからだ。
こうした経験は過去に何度もしている。だから開発の際は、何をしたのか記録を細かく残すようにしている。そうした文書を見ながら、「そういえば、そんな処理だったな」と解読していく。
今回の難しい点は、私がそれほど「Godot」に精通していない点だ。「Godot」の文法も思い出さないといけない。これはけっこう大変な作業だ。
今日は、ダイアログのシステムを少し修正した。開発が途絶える直前に、画面のビューポートに関わるプロジェクトの設定をいじった。そのせいで、ダイアログがやたらと小さく表示されるようになってしまったからだ。
プロジェクトの設定をいじると、いろいろなところで不具合が出やすい。ノウハウがあれば事前に対策を立てるが、何せ今回使っている「Godot」については初心者だ。そんな気の利いたノウハウなど持ち合わせていない。
とりあえず上手く修正できたのだが、これが「Godot」の設計者の意図に沿っているかは謎だ。
プログラムは、言語や環境の思想に合わないことをすると破綻しやすい。なので開発者の意図をプロファイリングして、彼/彼らならこう思考するはずだと想像しながら、プログラムを書いていく必要がある。
少し脇道に逸れよう。プログラミングはロジカルなものと思われているが実はそうでもない。言語開発者や、ライブラリ開発者の思想を知り、能力を値踏みして、どんなプログラムになっているのかを想像したり、内部のコードを観察したりしてプログラムを書いていく必要がある。
数学者的な思考よりも、考古学者や民俗学者的な思考を求められることも多々あるのだ。
本道に戻ろう。何を書きたいかと言うと「SRPGの開発を再開した」ということだ。
個人でゲームを完成させるコツは「小さく作る」「続編を作るごとにリッチにする」だと思っている。
最初から欲張ることを考えずに、まずは有りものの素材やデータで、手堅く完成させることを目指さないといけない。完成させないと「ゼロ」だからだ。何も作っていないのと同じ状態だ。
まずは小さく作り完成させる。そこを目標に頑張らないといけないなあと思っている。
おまけ:
いろいろな同人誌や、ゲームを作って公開しています。ぜひ見てください。
最近、ゲームブックも書きました。遊んでください。
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SRPG開発戦記 雲居 残月 @kumoi
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