第4話恋人になり、初めてのクリスマス

 私は正座の体勢で両腕を床につき恥じらいに身体をぷるぷると震わせている恋人を見下ろしていた。

「どうしたの?たった一言言うだけなのよ」

「うぅっ……わぁ、わわぁっ……ワンッ……」

「言えるじゃない。ヨシヨシ」

 私は丹庭の目線に合わせ、屈み彼女の頭を撫でる。

「はぁあぁうぅぅっっ……あぁっ、ありがとうございまぁっしゅゅうぅぅっっ!!」

 頭から湯気が出てるみたく、分かりやすく恥じらい噛んだ彼女。

「あっ、あのぅっ……しょっ、しょしょ翔子ぅ……もうっ——」

「詩羽、もう少し続けよっか。恥じらう姿は可愛かったけど、言うのが遅かったわ。嫌なんて、言わないよね詩羽?」

「あぅっ……はぁ、はぁい……」

 彼女は目許に涙を溜め、諦めた返事を漏らす。

「分かってるわね、詩羽?」

「ワン!」

 彼女は正座の体勢で犬のように返事し、上衣を脱ぎ出す。

 私は丹庭が衣服を脱いでいくのを見詰める。

 不良で通っている丹庭が私の前で従順に身に纏う衣服を脱いでいく光景は昂揚してじわりと汗をかいてしまう。


 全裸を晒す彼女は恥じらい、隠す部分を腕で隠す。

「翔子ぅぅ……スるなら、早く済ませてぇ。お願いぃ……」

「今さらそんな反応するなんて……ほんとは触られたくてうずうずしてるんでしょ、詩羽ぁ?」

 私は全裸で子鹿のように身体を震わせる彼女の背後に回り、耳許で囁く。

「そぉぅっ、そんなことぅぅ……えっとぉぅ、はぁいぃ……」


 私は丹庭を悦ばせる行為を続け、愛を確かめ合う。

 母親が用意した夕食を済ませ、丹庭との営みを自室で再開した。

 19時過ぎになり、全裸でベッドの上で愉しむ私たちだった。

 クリスマスプレゼントを渡し終え、絶頂かしあう。

 クリスマスはまだまだ続く。


 私は丹庭が従順になっていくのが幾らか物足りなさを抱いていた。

 見つめ合う丹庭と瞳を交わし合い、舌を絡ませるキスを交わす私だった。

 今では彼女に対し弱みをかざし、強要する必要も無くなった。



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あなたと噂されても構わないから 木場篤彦 @suu_204kiba

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