~第一章~

拾い物

第2話

それなりの領地の半分を管理する

名のある家に

地位のある父。

そして物静かな優しい母。

そんな両親から産まれた私、

露(つゆ)。



周りには“露姫”などと

呼ばれているけれど

毎日勉強の他には

何をする訳でもなく

“姫”に飽々していた7歳の私。






今日も明日も明後日も

何も変わらず生きていくのだろう。


そしてどこぞの殿方に嫁ぎ、

私の人生など終わるのだろう。



恋など知らぬまま…










勉強を終え、

一人縁側でそんなことを思っていた。







この日までは―――……‥







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