第74話

「「準備??」」




なんのだ?



…………。




「~~っっ!!」




可愛いーっっ。



えっ!?


エプロンってこんなに良い物だったのかっ。


んで三角巾っ。


はぁあっ。


桜竜赤ずきんみたいで可愛いっっ!!



食べたいっ!!



今なら狼の気持ちがわかる!!




「もう、進藤うるさい」



「……進藤?」



「進藤」




呼び名が戻ってるじゃねぇか……。



ガクッと膝の力が抜ける。




「ん?俺、喋ってねぇよな?」



「顔がうるさい」



「顔かっ」




それはどうしようもないな。




「桜竜が可愛いのが悪い」



「あたしは可愛くない」




ザッと大地の後ろに隠れる桜竜。



……マジ大地邪魔だな。




「消すか」



「止めろ」




苦笑する大地は桜竜の方を向き、




「さっ、準備万端だ。始めようか」



「はい。よろしくお願いします」




真剣な表情で頭を下げる桜竜はカッコ良い。



今日は色々な桜竜が見れて楽しい。



このままずっと一緒に居てぇ。



恐る恐る1つ1つ学んでは失敗し、パニックになる桜竜を見ながら、スマホで撮りながら心底そう思った。



指切って口パクも……熱したフライパンに触れて冷やさねぇとっ!!なんていうハプニングもなく、オムライスは出来上がった。




「出来た!!」




パッとオムライスを乗せたお皿から視線を上げ桜竜がそれはそれは嬉しそうに、幼い子供のような笑みを浮かべた。



初めて見る笑みに何故か泣きそうになる。




「……進……焔?どうしたの?やっぱり食べたくなくなった?」




どっ!?


なっ!?




「いや、桜竜が作ってくれた物は俺が全部食べる。誰にもやらねぇ」



「不味かったら残してね」



「絶っっ対に不味くねぇ。愛情がたくさんこもってるのによ」



「こめてない」




物凄く真顔で否定する桜竜。




「えー?」



「ちょっとそこのお二人さん。イチャイチャしてねぇで食おうぜ。さすがに腹減ったわ」




テーブルをセッティングしてる大地が言う。



俺達は顔を見合わせ




「「食べる」」




と声を揃えて席についた。



もちろん、桜竜の隣である。

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