第60話
ソロリと後ろを見ると、少しあたしから離れた進藤が凄く真剣な表情でこっちを見てる。
進藤の名って……。
「進藤でしょ?」
そう言うとグッと進藤の表情が不機嫌に。
えっ!?
違うの!?
だってあたしずっと進藤って呼んでたよ!?
「桜竜ちゃん」
「何?大地」
「…………」
進藤の眉間に深いシワがっっ。
「奴は下の名前を呼んでほしいんだよ」
小さな声で大地が教えてくれる。
……下?
……下の名前??
え……。
マズい……。
覚えてない……。
確か自己紹介してくれた時に言ってた……。
進藤……進藤……
なんだっけ?
「ちょっっ、桜竜ちゃん!こしょばいっ!!」
思い出そうと、無意識に大地の背中に顔を押し当てグリグリしてると大地が笑いながら言ってくる。
が、思い出すのに必死なあたしはそれを聞き流し、ずっとグリグリしてたら
「うほぉっ!?」
ンベリッと大地から引き剥がされた。
そして
「他の男の名ばかり呼ぶその唇、もう1回塞いでやろうか」
「!?」
進藤に抱き上げられ、すぐ間近で獲物を狙うかのようにギラギラ輝く瞳と目が合った。
……獲物はあたし?
逃げたい気持ちともっともっと近くで見たい気持ちとで、固まってしまう。
「桜竜」
進藤の顔が近づいてきて……
「もう1回?」
「っっ!?」
大地の声にハッと我にかえったあたしは
べっチン!!
ギリギリの所で、両手で進藤の顔をブロックした。
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